広瀬&櫻井「ネメシス」好スタート なぜこんなに豪華なドラマができるのか

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

バズらせて現ナマを取る

「高視聴率に上層部や編成は喜んでいますが、ドラマ部スタッフの顔色は冴えないようです。何しろ、プロデューサーの北島は映画部ですし、撮影は『キングダム』制作陣のクレデウス。総監督は外部と、ドラマ部は関わっていませんから」

 そうだったのか。

「もちろんドラマ部だって、石原さとみと綾野剛の『恋はDeepに』(水曜22時)、有村架純と菅田将暉の『コントが始まる』(土曜22時)がありますから、日曜ドラマまで手が回らないということもありますからね」

 そうはいっても、TBSの“日曜劇場”やフジテレビの“月9”で放送してもおかしくないドラマである。なぜ、そんなに力が入っているのか。

「日テレとしては、日曜ドラマはバズって儲かることが重要なのです。昨年、実写映画No.1にもなった『今日から俺は!!』はもともとこの枠でしたが、これも福田雄一監督に全部任せた。『あなたの番です』の総監督は秋元康さんで、営業的にもっとも理想的なMF1層(20~34歳の男女)、MF2層(35~49歳の男女)がついてきたおかげで、最終回の視聴率は20%に迫りました。経営陣としては、ドラマ部の社員が作ろうが、外部の人間が作ろうが、関係ありません。作品がバズってDVD化、映画化、Huluの配信で儲ける戦略です。番組スポンサーからの収入だけで製作する時代ではなくなったのです」

 だからこそ、

「日曜ドラマには予算も付く。それで豪華な座組も作れるわけです。いまやテレビドラマはお茶の間に家族が集まって見るものではなくなりました。MF1層、2層に見てもらえるような作りにしないとダメなんです」

 そのヒントは、意外なことにテレビ東京と言われているそうだ。

「テレ東の深夜ドラマには話題作が多い。山田孝之主演でシリーズ化された『勇者ヨシヒコ』、映画化もされてヒットした長澤まさみの『モテキ』、松重豊の『孤独のグルメ』、西島秀俊と内野聖陽の『きのう何食べた?』などなど。『バイプレイヤーズ』は今、劇場版が公開中で主演の元祖脇役・田口トモロヲ、遠藤憲一、松重豊、光石研よりも、役所広司や有村架純、天海祐希など豪華な脇役陣でも話題となっています。そして、13年に映画化された染谷将太と夏帆で映画化もされた『みんな!エスパーだよ!』の監督こそ、今回『ネメシス』の入江総監督ですし、『きのう何食べた?』は片桐監督です。彼らに製作してもらうことで、日テレは有料の客を呼び込んで、現ナマを手に入れようとしているわけです。当然、ここまで豪華になった『ネメシス』も、映画化前提ということですよ」

デイリー新潮取材班

2021年4月18日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。