TBS「サンデーモーニング」を悩ます高齢化問題、打ち切りやリニューアルが現実味

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6人の平均年齢は61・33歳…

 まず高齢化。1987年10月の放送開始時から司会を務める関口宏氏は77歳になる。

 コメンテーターに目を移すと、3月7日放送に出演したのは寺島実郎・多摩大学学長(73)、浜田敬子・ビジネスインサイダージャパン元統括編集長(54)、フォトジャーナリスト・安田菜津紀氏(34)、涌井雅之・東京都市大学特別教授(75)、ジャーナリスト・青木理氏(55)。全員が準レギュラーと呼べる立場だ。

 6人の平均年齢は61・33歳。TBSが定めたターゲットを大きく超えてしまっている。

 高齢化より若い視聴者が遠ざかった理由はコメンテーターの固定化ではないか。意見の多様化が強く求められている時代であるにもかかわらず、コメンテーターが固定化されている上、誰かの発言に反論する人が皆無に近いから、意見が画一化していると言わざるを得ない。

 コメンテーターは計十数人で、その人たちが毎週入れ替わるだけ。新しく加わる人はほぼいない。世の中には賢人とされる人が少なくないはずだが、なぜかTBS報道局は十数人にずっと拘り続けている。

 また、この日のコメンテーターの涌井氏は、関口氏が会長を務める芸能プロダクション・三桂の所属である。やはり準レギュラーと呼べる姜尚中・熊本県立劇場館長もそう。

 三桂の所属者を優先的に出演させるような空気があるのか。そうであるなら、忖度と言わざるを得ず、これも番組内の意見の多様化を阻害しているのではないか。

 硬い話をするようだが、放送法は第4条4項で「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」と定めている。現代社会の諸問題はすべて意見が複雑に対立していると言って良い。それを固定化されたコメンテーターだけで解説するのは無理がある。

「サンデーモーニング」にも「シューイチ」にも1週間を振り返るコーナーがある。3月7日放送ではどちらも福岡県篠栗町で5歳男児を餓死させたとして母親の碇利恵容疑者と知人の赤堀恵美子容疑者が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された事件を取り上げた。

「サンモニ」では浜田氏が「碇容疑者は赤堀容疑者のマインドコントロールの下にあったのではないかという報道もありますが、虐待やネグレクトの背景に共通してあるのは母親の子育てにおける孤立」と解説をした。

 一方、「シューイチ」ではレギュラーコメンテーターの精神科医・名越康文氏(60)が解説したが、中身はかなり違った。

「洗脳の可能性は極めて高い」とした上で、「強烈な支配欲求のある人が家の中に入り込むと、洗脳状態に陥る人は一定数います。我々だってそうなる可能性がある」と語った。

 さらに、親に虐待を受けると、同じことを自分の子供にやってしまいがちであると解説した。暴力を愛情と誤解するからである。これは各種医学論文にも書かれている。

 浜田氏と名越のどちらの意見も傾聴に値するのだろうが、やはり「サンモニ」は解説の幅の狭さが気になってしまう。特異な事件が起きた時には、専門家にも解説してもらうほうが公益にも結びつくのではないか。

「サンモニ」の幅の狭さを象徴するのは2010年5月に起きたジャーナリスト・江川紹子氏(62)の降板問題である。人気のスポーツコーナー「週刊御意見番」で江川氏と野球評論家・張本勲氏(80)の意見が合わなかったところ、TBS側が江川氏に出演見合わせを申し入れた。その後、江川氏が自ら降板した。

 発端は楽天・岩隈久志投手(40)が試合途中で降板した件。張本氏は「喝!」「無責任」と岩隈を責めた。これに対し、月1回程度出演していていた江川氏は「本人に聞いてみなければ分からない」などと意見した。すると張本氏は「素人には分かりません」などと発言。その後、江川氏はTBS側から出演見合わせの申し入れを受けた。

 この程度のことが出演見合わせや降板に発展してしまうようでは、残念ながら視聴者が多様な意見を聞くのは難しいはず。これでは若い視聴者が減るのもやむを得ないのではないか。

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