何が起きたのか…日本ハムが短期間で弱体化してしまった本当の原因
レギュラーシーズンの約10分の1を消化した今年のプロ野球。セ・リーグでは三浦大輔監督が就任したDeNAが引き分けを挟んで開幕6連敗を喫して話題となったが、一方のパ・リーグで苦しんでいる球団が日本ハムだ。開幕から4カード、11試合を消化した時点でわずかに1勝。その後、オリックスとの3連戦では今季初の連勝を飾ったものの、3戦目には9回に3点差を追いつかれて引き分けに持ち込まれている。2016年に日本一に輝いたが、その後の4年間の順位は5位、3位、5位、5位と低迷。2年連続Bクラスに沈んだのは、04年にチームが札幌へ本拠地を移してから初のことである。
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翌年の順位は下がっていない
では、なぜここまで短期間でチームは弱体化してしまったのだろうか。16年に投手として10勝、野手として104安打、22本塁打という驚異的な数字を残してMVPに輝いた大谷翔平がメジャーリーグのエンゼルスに移籍したことは確かに痛手だった。だが、要因は決してそれだけではないはずだ。現に、日本ハムは過去にも多くの主力選手がFAやポスティングシステムなどでチームを去っているが、その後のチーム成績は落ち込んでいない。改めて、札幌移転後の主な主力選手の流出と、その前後のチームの順位を並べてみると、以下のようになっている。
・小笠原道大(06年オフにFAで巨人へ移籍)
チーム成績 06年:優勝 ⇒ 07年:優勝
・森本稀哲(10年オフにFAで横浜へ移籍)
チーム成績 10年:4位 ⇒ 11年:2位
・ダルビッシュ有(11年オフにメジャー移籍)
チーム成績 11年:2位 ⇒ 12年:優勝
・鶴岡慎也(13年オフにFAでソフトバンクに移籍)
チーム成績 13年:6位 ⇒ 14年:3位
・大引啓次(14年オフにFAでヤクルトに移籍)
・小谷野栄一(14年オフにFAでオリックスに移籍)
チーム成績 14年:3位 ⇒ 15年:2位
このように16年までは常に主力の流出があっても、翌年の順位が下がっていないことがよく分かる。17年オフに大谷が移籍した際も、翌年の順位は5位から3位に上昇している。大谷の存在感が大きかったことは確かだが、やはり他に原因があると考えるのが自然だ。
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