「大東建託」が高齢者相手に“詐欺まがい”の不当営業 空き巣で逮捕された社員も
土地交換
「大東建託」が手掛けるのは、地権者に建てさせた賃貸物件を一括して借り上げ、入居者に賃貸するサブリース業だ。その超ブラック体質ゆえ、社員はノルマに駆り立てられ、地権者家族の「同意書」を偽造する私文書偽造にも手を染めていた。そればかりか、複雑な手続きを要する「土地交換」を勧めながらロクな説明もせず、数々のトラブルが起きている。
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例えば、群馬県の「前橋支店」。地元の不動産業者によると、自身が出資する住宅リフォーム会社が、ある未亡人と渋川市に一軒家を建てる契約を結んだ。2018年6月のことだ。建築代金の一部は、その隣地を代物弁済で受け取る予定だったという。だが、いざ工事を始める段になって、未亡人が隣地の名義人でないことが判明した。
「10年前、大東建託前橋支店の係長の勧めで、彼女の夫が、渋川市在住の80代女性と土地を交換し、一軒家を立てるつもりで土地と隣地を手に入れた。ところが、のちに夫から土地と隣地を相続した未亡人の知らない間に、所有権移転の“仮登記”が抹消され、隣地は80代女性の所有に戻されていたのです」(不動産業者)
無知に付け込む
「登記手続きをした司法書士に訊いても、“大東建託の指示通りにしただけ”と答えるばかり。やむなく、80代女性に事情を説明し、あらためて“交換”として未亡人に所有権を移してもらいました。80代女性が協力的だったのは、大東建託に不信感を持っていたからです」(同)
80代女性は、係長の後任である副課長からもアパート経営を持ち掛けられて契約したが、その建設予定地は前橋支店内で「不適格」とされる場所だったという。後に契約はキャンセルになったが、それでも大東建託からは、契約時に支払った数十万円の「受注金」と百数十万円の「契約時金」のうち、契約時金だけが返還され、受注金は掠め取られた。その分は泣き寝入りだ。
お年寄りの無知に付け込み、複雑な手続きにもかかわらずロクに説明もしない。不当な営業がまかり通るブラック企業の実態が浮き彫りとなったわけだが、さらなる悪事も――。
昨年10月末、80代女性を担当していた副課長が、住居侵入、窃盗の容疑で元部下とともに群馬県警に逮捕されている。外回りの営業中に留守宅を見つけ、空き巣を繰り返していたのだ。
「週刊新潮」2021年2月4日号「MONEY」欄の有料版では、大東建託の杜撰な顧客対応や、社員の住居侵入逮捕の背景を詳報する。