今年のプロ野球は“引き分け”が100試合以上? ならばタイブレークを導入すべきか

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勝敗がはっきりする

 もうひとつ気になるのが、9回での試合打ち切りが来年以降も適用されるのかという点である。試合時間の短縮などを考えれば、やむを得ない面はあるとはいえ、あまりにも引き分けが多くなると、消化不良と感じるファンも多く出ることもまた事実である。

 そこで検討したいのが「タイブレーク」の導入だ。社会人野球や多くの大学野球では延長に入るとノーアウト一・二塁から試合をスタートする方式がとられており、選抜高校野球でも13回からのタイブレークが導入された。当初は否定的な意見が多かったが、このルールならではの駆け引きもまた見ものであり、社会人と大学では完全に馴染んだように見受けられる。

 意外に点が入らずに緊迫した延長が続くこともある一方で、一つのプレーで一気に試合が決まるスリリングさもあるうえ、何よりも最終的な勝敗がはっきりするというのは大きな利点だろう。

 プロでの導入となれば、あらゆる意見が出てハードルは高くなりそうだが、今までにない面白さが生まれることは間違いない。コロナ禍であらゆる制約があるからこそ、それを機会ととらえ、新たな試みもぜひ模索してもらいたいところだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年4月13日掲載

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