事件現場清掃人は見た 一家無理心中の壮絶な現場で身体の震えが止まらなかった瞬間
孤独死などで遺体が長時間放置された部屋は、死者の痕跡が残り、悲惨な状態になる。それを原状回復させるのが、一般に特殊清掃人と呼ばれる人たちだ。2002年からこの仕事に従事し、昨年『事件現場清掃人 死と生を看取る者』(飛鳥新社)を出版した高江洲(たかえす)敦氏に、今も忘れられない一家無理心中の凄惨な現場について聞いた。
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今回は、高江洲氏が特殊清掃の仕事を始めて間もない頃の話である。
「葬儀会社から依頼がありました。『心中らしい』と言われましたが、当時、まだ経験も浅く、心中と聞いてもあまり深く考えませんでした」
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