志村けんに愛された女たち 「小柳ルミ子」が明かした「最後の会話」 「由紀さおり」が語る「いかりや長介」とのエピソード

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小柳ルミ子との「最後の会話」

 亡くなる10カ月ほど前、小柳はテレビ局の楽屋で志村と偶然会う機会があった。その時、ひどく疲れた表情だったので説教をしたのだという。

「今にも倒れそうな顔色の悪さだったから、“朝までちびちび飲まないで、しんどいなら休みなさい”と諭したんです。“後輩と飲むのもいいけど、倒れたら大変だよ”って。そうしたら“酒は薬みたいなもんだから”と笑っていました。その時は楽屋でタバコを吸っていましたね」

 肺炎を機にタバコをやめたと言われていた志村。独りの時や気の置けない仲間の前では紫煙を楽しんでいたのか。小柳との会話はこれが最後となった。

 そして、志村は新型コロナウイルスに冒され、意識が戻らないまま旅立った。コントと酒とタバコと女に生きた70年。小柳は在りし日の姿を思い浮かべてこうも語る。

「もしかしたら、自分が死んでしまったことに気づいていないかもしれませんね。私は彼のことを『表現者』だと思っています。昼も夜もプライベートも女性関係も、何もかもを仕事に注いで、自身のお笑いの“栄養”にしてきた。ああいう人はもう現れないでしょう」

週刊新潮 2021年4月1日号掲載

特集「『愛された女たち』が偲ぶ『志村けん』 酒とバラとタバコとコントの日々」より

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