V6解散で唯一、ジャニーズ退所の「森田剛」 舞台役者としての業界の評価は?
蜷川舞台が引き合わせた2人
蜷川氏は自ら演出する舞台に、ジャニーズのタレントを起用することが多かった。
「東山紀之はじめ、木村拓哉、生田斗真、亀梨和也、上田竜也、二宮和也、V6からは坂本、長野、岡田たちも蜷川舞台に出演しました。なかでも岡本健一は、初舞台で蜷川氏の『唐版・滝の白糸』(89年)に抜擢されて以来、『ペール・ギュント』(90年)、『タイタス・アンドロニカス』(04年)でも組みました。『タイタス~』では読売演劇大賞の優秀男優賞を受賞し、その後、蜷川氏が亡くなってからも、読売演劇大賞・最優秀男優賞(18年)、菊田一夫演劇賞(19年)、紀伊國屋演劇賞(20年)、芸術選奨文部科学大臣賞(20年)といった多くの演劇賞に輝いています。森田も蜷川氏に抜擢されたことで、岡本を目標にしているとの声もあります」
森田が蜷川舞台に初めて出演したのは、10年の「血は立ったまま眠っている」だった。
「この時、蜷川氏は森田について『ジャニーズの中でも異色の人だと思っていました。無精ひげを生やしたり、格好がジャニーズ的な雰囲気からかけ離れていて、周囲の人たちに交ざり合っていない印象でした。いつか一緒に仕事したいと思っていた』と語っています。この舞台で共演した寺島しのぶさんが、同年公開の映画『キャタピラー』(若松孝二監督)に主演し、ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞しました。ベルリンに行けなかった寺島さんのため、公演終了後の舞台で“銀熊像”の授賞式が行われたのも、拍手をしていた彼にとっては強烈な思い出かもしれません。13年にはKERAさん書き下ろしの『祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹』で再びタッグを組み、さらに16年の『ビニールの城』の主演も決まっていました。ところが、稽古に入る前に蜷川さんが亡くなってしまったんです。なんでも、蜷川さんが亡くなって、舞台への思いはより強くなったそうです。『ビニール~』は蜷川さんの追悼公演として上演されましたが、ここで初共演したのが宮沢でした」
宮沢も今や演技派女優の道を歩いている。
「『ビニール~』で共演した2人は18年に結婚しました。宮沢も独自の道を歩んできましたから、何らかのアドバイスはあったでしょうね。森田は今後も、舞台に軸足を置いていくつもりなのでしょう。すでに宮沢との共演の話が進んでいるという話も聞きますよ」
ジャニーズに残った他のメンバーはどうしていくのか。
「イノッチ(井ノ原)は、テレビドラマとMCで、今後もオールマイティに活躍していくでしょう。岡田は映画でいくのでしょう。昨年コロナ禍で公開延期となった『燃えよ剣』(原田眞人監督)は、10月に公開が決定しました。坂本は舞台、長野はグルメものと舞台ですかね。三宅はバラエティと舞台でしょうか」
三宅に舞台のイメージはあまりないが。
「彼は意外にも歌舞伎です。三池崇史監督が演出した『六本木歌舞伎・羅生門』で、市川海老蔵と共演して仲もいいそうです。またジャニーズアイランド社長となった滝沢秀明が主演した『滝沢歌舞伎』にも何度も出演していて、タッキーとも仲がいい。ゆくゆくはジャニーズ事務所の幹部になるかもしれませんよ」
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