日テレ、巨人開幕戦の視聴率は史上最低「8.8%」 広島開幕戦は「24.9%」との差
巨人の戦略ミス
スポーツ報知は3月29日、「プロ野球開幕戦「巨人×DeNA」視聴率は平均8.8%、瞬間最高13.4%」との記事を配信した。(註:視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区、リアルタイム、以下同)
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26日に午後7時より日本テレビで放送された巨人の開幕戦は、世帯平均が8.8%、個人視聴率は4.9%。報知新聞は比較のため、昨年の巨人の開幕戦における視聴率も報じている。
昨年は新型コロナウイルスの影響で、開幕は6月19日だった。対戦相手は阪神で、同じく日本テレビが午後7時から中継し、視聴率は世帯で10.7%だった。
視聴率が2桁を切ったのは、やはり日本テレビにとっては相当なショックらしい。日テレ関係者が言う。
「世帯も個人も史上最低クラスとなってしまいました。菅野智之さん(31)が開幕投手を務めた試合で、この視聴率は衝撃と言っていいでしょう。ちなみに開幕で10%を切ったのは2018年の阪神戦でしたが、それでも9.2%でした」
地上波の視聴者は、巨人の開幕戦にあまり興味がなかったようだ。裏番組の「ザワつく!金曜日」(テレビ朝日系列・金・19:00)は14.3%と絶好調だった。
ご存知の通り、レギュラーの1人は長嶋一茂(55)だ。彼の番組が巨人の開幕戦を食ったのだから、まさに皮肉な結果となってしまった。
黄金期は、こんな体たらくではなかった。例えば21世紀が始まった2001年の開幕戦を見てみよう。
地方局は好調
対戦相手は阪神で、巨人を率いるのは長嶋茂雄監督(85)。先発は上原浩治(45)、4番は松井秀喜(46)で、視聴率はさすがの19.2%だった。
2006年は横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ)戦。原辰徳監督(62)、先発は上原浩治、4番はイ・スンヨプ(44)で、視聴率は15.9%だった。
「巨人は2014年に球団創設80周年を迎えましたが、この頃から日本テレビが中継する開幕戦は10%の視聴率を保つのが精一杯になります。2016年には高橋由伸さん(45)が監督に就任しましたが、視聴率が上向くことはありませんでした」(同)
低視聴率を考える際、視聴者は「プロ野球を見ない」のか、「地上波でプロ野球を見ない」のか、という議論も行われてきた。
プロ野球ファンは有料のCS放送やネットチャンネルと契約を結んでおり、もはや地上波にチャンネルを合わせることはない──こうした指摘も少なくない。
だが、地方局が放送した開幕戦に目を転じると、全く違う状況が見えてくる。
「地方局の視聴率は10%台を余裕でキープしています。関西テレビ(カンテレ)のヤクルト・阪神戦は14.8%、宮城テレビ放送(MMT)の楽天・日本ハム戦は16.0%、福岡放送(FBS)のソフトバンク・ロッテ戦は18.5%、そして広島テレビ放送(HTV)の広島・中日戦に至っては、何と24.9%でした」(同)
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