反日不買と選択的不買に熱狂する韓国、横行する「選択的・合理的理由がない人種差別」

国際 韓国・北朝鮮

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日本とベトナムを標的にした差別

 話を新型コロナウイルスに戻そう。こうした「合理的理由がない差別」は何もソウル市の専売特許ではない。

 ソウル市と同時期に緊急支援金を支給した京畿道も外国人を除外し、人権委の勧告を受けたし、韓国政府自体も支援金について韓国人とその配偶者、永住者に限定。

 韓国に居住する外国人173万人中144万人を除外して批判を受けている。

 さらに、日本とベトナムを標的にした差別もある。

 韓国で新型コロナウイルスが拡散しはじめた昨年2月28日、ベトナム政府が韓国からの入国を制限。空港当局がハノイ・ノイバイ空港に向かっていたアシアナ機の着陸を許可せず、同機は仁川空港に引き返すハメになった。

 同年3月4日、当時の康京和外交部長官が「防疫能力のない国が入国禁止措置を取っている」と挑発したが、この言葉は「末端の外交官すら口にしない非外交的な言葉」と批判を受けた。

 その翌5日には、「医療先進国」である日本、オーストラリア、シンガポールが入国制限を発表。韓国メディアは、「この発表で康長官が恥をかいた」と皮肉った。

 日本政府が韓国と中国からの入国制限を発表すると、韓国政府は日本人の入国を制限する報復措置を行った。

 当時、100を超える国と地域が韓国からの入国を制限しており、日本政府は自国民も対象としたが、韓国は日本人のみを制限し、自国民はもとより中国人の入国も制限しなかった。国民は中国人の入国禁止を求めていたにもかかわらず。

 この厚意に対して、中国は特に恩義を感じなかったようだ。中国政府は公式には韓国人の入国を制限していなかったが、半数を超える自治体が韓国からの入国に条件を付け、駐韓中国大使館が査証の発給を中断する事実上の入国制限を行っていた。

昼は反日、夜はアサヒビール

 これまで見てきたように、韓国政府や行政は外国人の感染リスクは高いと考えているようだが、韓国政府の要人には感染リスクがないのだろうか。

 というのも、先述の通り、韓国政府は昨年4月以降、自国民を含む入国者にPCR検査と2週間の隔離を義務付けているのに、公務で海外に出張する政府要人は対象外となっているからだ。

 チグハグと言うかダブルスタンダードと言うべきか……。

 もっとも、これはよく見られる構図でもある。以前にもお伝えしたように、日本に対する態度にもこの構図は現れていた。

 韓国ではいまでも4人中3人が日本製品不買運動に参加を表明する一方で、任天堂ゲーム「あつまれ どうぶつの森」に熱中し、映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」を鑑賞、ユニクロ店舗に行列する選択的不買運動もまた拡大している。

 政府高官はレクサスに乗って「NO JAPAN」を煽動する。

 4月7日に投票が行われるソウル市長選の与党候補は、夫名義で東京にマンションを保有し、日本航空(JAL)の株式を所有、愛車はレクサスだ。

 反日運動を展開する市民団体のある活動家は「独島(日本名・竹島)は韓国の島」と書いた横断幕を掲げたプリウスで凱旋する。

 ソウル市に日本製品の不買を要求した市議会議員は日本食に舌鼓を打ち、反日を叫んで声が涸れた人々はアサヒビールで喉を潤す。

 こうした選択的不買運動と選択的反日も問題ではあるが、このところの動きを見る限り、選択的人権差別の場合は、世界中からの非難を浴びやすいようである。

佐々木和義
広告プランナー兼コピーライター。駐在員として渡韓後、日本企業のアイデンティティや日本文化を正しく伝える広告制作会社を創業し、現在に至る。日系企業の韓国ビジネスをサポートする傍ら日本人の視点でソウル市に改善提案を行っている。韓国ソウル市在住。

デイリー新潮取材班編集

2021年4月2日掲載

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