今は「オジサンを怒れる女」が愛される? 熱愛発覚でも無双状態が続くみちょぱの「誤算」と独自路線
見る側も出る側も高齢化が進むテレビ界。特にバラエティでは、いまだに昭和世代の男性芸人たちが中心にいる。そんな中、「オジサンを怒る女」タレントたちの活躍は目立つ。
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例えば、フワちゃん。ぼる塾のあんりさん。国際政治学者の三浦瑠麗さん。そして、みちょぱこと池田美優さんである。自分よりも年上の芸人たちを、遠慮なくぶった斬る。面白いのは斬られた側の「オジサン」たちも、なんとなく嬉しそうな顔をすることだ。
コンプライアンス意識が薄い時代に活躍したオジサンタレントたちは、無意識にセクハラ・パワハラ発言をすることがある。昔は笑って済ませられても、今はすぐ炎上してしまう。大火事になる前に、「時代遅れ」「バカじゃないの」とバッサリ斬ってくれる若い女性たちは、彼らにとってもテレビ局にとってもありがたい存在なのだろう。手っ取り早く禊を済ませられ、必要以上に叩かれることから逃れられる。
中でもみちょぱさんのオールラウンダーぶりは群を抜いている。一緒に番組をやっていた梅沢富美男さんにも「変態」「セクハラ」と手加減無し。石橋貴明さんがローアングルでカメラを手に迫ってきたときも、笑いながら「今の時代はダメですよ」と釘を刺していた。好意をほのめかす安田大サーカス・クロちゃんのツイートや、体をじろじろ見てくるアンガールズ・田中卓志さんには、「気持ち悪い」と一刀両断。昨年の「アメトーーク! 実はみちょぱスゴイぞ芸人」では、梅沢さんに長嶋一茂さんと石原良純さんを加えた「芸能界三大気難しいジジイ」への対応力が素晴らしい、と大久保佳代子さんからも絶賛されていた。
同番組の反響は大きかったという。特に下ネタに対するスルースキルを評価された点について、スルーを良しとするのはいかがなものかという批判は多かったようだ。ただ梅沢さんや田中さんへの対応を見ていると、単に笑って終わりにしているわけではないように見える。番組後にはTwitterで、「笑いやトークのスキルがないオジサンが女性に下ネタは言うな」とダメ出しもしていたみちょぱさん。企画上、セクハラキャラとして振る舞う男性タレントもいるのだろう。それは褒められた演出ではないが、彼女も理解した上でのこと。だからオジサンたちも、みちょぱさんになら怒られてもいいと思うのではないか。
そんなみちょぱさんに、大倉士門さんという5年越しの恋人が発覚した。結婚も視野に入れていると堂々の交際宣言。その潔さ、そして自分より売れない彼を支える一途さに、お茶の間からの好感度も急上昇したようだ。
いま強いのは「バカになれるギャル」より「バカにできるギャル」
野心に満ちた女性タレントは嫌われるが、野心がないと装う女性タレントはもっと嫌われる。その実態は、恋人や伴侶選びに表れると考える人は多い。その点、みちょぱは安泰と言えるだろう。金や権力で相手を選ばない私生活が見えたからこそ、オジサンたちに強めに当たっても説得力がある。比べるのは酷だが、例えば小島瑠璃子さんだとちょっと難しいのではないだろうか。どんなにキュートでオジサンあしらいが上手でも、億単位の収入がある漫画家との交際が透けて見えては笑えない。
かつてバラエティでの成功法則は、権力者の前で「バカになれる」ことだった。だからギャル勢は強かったのだろう。おバカキャラで島田紳助さんの寵愛を受けた木下優樹菜さん。オーバーリアクションでブレイクした鈴木奈々さん。明石家さんまさんからのアプローチを、笑顔であしらい続ける加藤綾子アナも元ギャルだ。けれども、一見無邪気に見える態度の裏に、大物への媚びや強すぎる上昇志向を感じた瞬間、お茶の間は白けてしまう。
翻って現在は、権力者を「バカにできる」タレントが人気を集めている。みちょぱさんは従来のギャルタレントと比べると異色だが、だからこそ時代にフィットしたのだろう。おバカを前面に出さないし、グラビアもやらない。生意気さを売りにもせず、爪痕を残そうとガツガツもしない。ボケない、脱がない、イキらない。だから時代錯誤の大物にも、気負いなくツッコめる。
3年前のバラエティ番組では、「自分がイマイチ売れない理由」を川柳にする企画に参加させられていたみちょぱさん。披露したのは「世の男 ギャルメークより 清楚系」というものだった。でも今や、みちょぱさん級に大物とやりあえる清楚系などほとんどいない。みちょぱさんにしてみれば、うれしい「誤算」ではないだろうか。しかも今回、同時期にすっぱ抜かれた清楚系アイドルの好感度は急落。同世代ジャニーズとパパ活チックな年上ジャニーズとの二股交際が明らかになったからだ。
清楚系タレントには決してできない、「オジサンたちを怒る」芸と説得力を不動のものにしたみちょぱさん。オジサンタレントにとってもテレビ業界にとっても、みちょぱさんはギャルどころか清楚系さえ超越した、聖母のような存在になっていくのではないだろうか。