【踏切トリビア】全国に幾つあるか、何mに1つか、近所から苦情が来る警報音など
踏切障害物検知装置の現状
踏切障害物検知装置には光電式、ループ式、三次元レーザーレーダー式の3種類がある。
(https://www.westjr.co.jp/safety/crossing/cp/car_trouble.htmlを参照のこと)
「鉄道統計年報」を見ても、全国の踏切中何カ所に設置されているかは明らかにされていない。
光電式は踏切内を対角線状に渡した近赤外線を発光器から受光器へと照射し、JRなどでは6秒間、一部の私鉄では4秒間といった具合に一定の時間光線を遮ると踏切に障害物が存在すると検知する仕組みをもつ。
光線はレール面から75cmの位置から発射されるが、大型トラックを検知できないケースも起きており、高さ1.2m程度の高さからも光線を照射するようにした踏切も見られる。
ループ式は踏切の道路面に金属を検知するループ状のコイルを埋め込み、遮断機が降りた後にやはり決められた時間以上自動車などが停車していた場合に検知する方式だ。
光電式と比べて雪や濃霧の影響を受けないので、冬に雪の積もる地域に設置される例が多い。
三次元レーザーレーダー式とは高さ4、5mと、踏切を見下ろせる高さからパルスレーザー光を踏切に向けて照射し、上下左右に動かしてスキャンすることによって検知する方式を指す。
パルスレーザー光を照射するレーザーヘッド1基だけで踏切全体をカバーでき、カラスなどを検知しないよう、たとえば高さ50cm以下のものは無視するといった設定も可能だ。
光電式、ループ式は人よりも自動車の検知が得意だが、こちらは人も自動車も高い精度で見つけやすい。
首都圏のJRで導入が進み、他の大都市圏や私鉄でもこれに置き換えられつつある。
参考文献:『JRと民鉄の装置を網羅した踏切保安装置詳説(改訂版)』、日本鉄道電気技術協会、2017年9月
[3/3ページ]