「緊急事態宣言」という仰々しい言葉が果たした役割とは(古市憲寿)

  • ブックマーク

『大辞泉』によれば「緊急」とは「重大で即座に対応しなければならないこと」という意味である。

『世界大百科事典』によれば、「緊急事態」や「非常事態」とは「戦争、内乱、天災地変等の事態が、通常の統治体制ではそれに対処できないと考えられる場合」だという。

 東京では、その「緊急事態」が何カ月も続いている。

 人々がニュース速報のアラームに身構えるのは、それがめったにないことを知っているからだ。もしもアラームが四六時中鳴り響いていたら、それは日常になってしまう。...

つづきを読む