日韓戦で日本勝利 弱すぎて話にならない韓国、今回の結果はすぐに忘れた方がいい

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ベント監督は解任?

 前回対戦となった19年のEー1選手権では「試合の入りのところで相手の圧力に押されて主導権を握れず先制点を与え、相手に余裕を与えてしまった」と森保一監督(52)は敗因を分析したが、当時のメンバーは両国とも国内組が中心だった。

 日本は渡辺剛(24)、古賀太陽(22)、相馬勇紀(24)、田中駿太(23)、田中碧(22)、田川亨介(22)ら10人が初招集で、名前をあげた選手は今回U-24日本代表で招集されている。このため森保監督が指摘したように経験不足があったことは否めない。

 その点、今回は韓国がエースのソン・フンミン(28)を欠いているとはいえ、フル代表での対戦である。にもかかわらず、フィジカルコンタクトで後手に回ったのは、ベント監督のチームマネジメントの失敗と、韓国選手のモチベーションが原因だったと推測できる。

 試合後の会見では韓国人記者から「日韓戦の意味は知っているはずだ。どのような試合展開を望んだのか」という質問が飛んだ。両国のライバル関係を知っていれば、解任されてもおかしくない結果と試合内容と言える。

 それに対しベント監督の答えは「重要性は知っているが、やりたいことができなかった。相手が我々を上回った。この試合から我々は学ぶべきで、両チームは同等の状況ではなかった」と至極まっとうな返事だった。

無意味な勝利

 日本は今回の試合を開催することで、国内から批判の声があがっていることを選手らは知っている。口にこそ出さないが、海外組を含めて対戦相手と審判団を招き、バブル方式で隔離して試合の開催にこぎ着けたことは、すべて東京五輪につながるシミュレーションであり、選手には使命感があった。

 そうしたバックボーンの差も出た、今回の日韓戦と言える。このため3-0という結果はすぐにでも忘れた方がいい。そして次の日韓戦でも勝利できるよう、デュエルでは負けないことを記憶するべきだ。もしかしたら、韓国とは東京五輪でメダルを争うかもしれないからである。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮取材班編集

2021年3月28日掲載

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