古賀稔彦さんを偲ぶ バルセロナ五輪“準決勝”の背負い投げは誰にも真似できない理由
享年53。「平成の三四郎」と呼ばれた柔道家、古賀稔彦の若すぎる病死(腎臓がん)に衝撃が走った。伝家の宝刀は背負い投げ、中でも相手の襟を持たず片腕を両腕で抱え込んで投げる一本背負いである。背負い投げの名手といえば昭和時代は「三四郎」と呼ばれた岡野功をはじめ、猪熊功、遠藤純男、藤猪省太(当時は省三)、細川伸二、平成では野村忠宏、阿部一二三が筆頭株だろう。筆者の印象が強いのが1970年代、世界選手権(80キロ級など)の男子中量級を4連覇した藤猪である。当時は階級が少なく、ある意味今よりも価値が高い連覇といっていい。...