アポ電強盗犯、有期刑に「よっしゃー」と無反省 NHK、産経しか報じないナゾ

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 それは、許されざる罪を犯した人間の無反省ぶりが垣間見えた瞬間だった。

 一昨年2月、男3人が都内のマンションに金品強奪目的で押し入り、住人の80歳女性が死亡した事件。被告らに対して今月9日、東京地裁が判決を下した。

 公判での争点は女性の死因だった。検察側は「首を圧迫したこと等による窒息死」だったと主張し、無期懲役を求刑。これに被告の弁護側は「女性は手足を緊縛され、口に粘着テープを貼られていたが、鼻はまったく塞がれておらず、被告らは首も絞めていない」と窒息死を否定していた。

 ある傍聴人が言う。

「判決では被告側の主張が認められました。被害者女性は強いストレスが加わり持病の慢性心不全が悪化、これが死因だとしたのです。死亡は予測できなかったと」

 主犯格の須江拓貴(ひろき)(24)は懲役28年、残る二人は懲役27年――。主文でそう言い渡された時のことだ。

「須江が深々と頭を下げてから“したー!”と叫んだのです。“ありがとうございました”を語尾だけにしたような、若いアンチャン風の言い方でね」(同)

 そればかりではない。

「裁判長が閉廷しますと告げ、傍聴人含む全員が起立して礼をしたあと、みなが退廷しようとしたその時です。“よっしゃー”という声が響きわたった。やはり須江でした。刑務官に注意されていましたね」(同)

 須江被告は背中から手首まで入れ墨があり、過去には地下格闘技大会にも出場。10代から窃盗、恐喝を繰り返してきた筋金入りのワル。無期懲役の求刑が有期刑となり、小躍りせんばかりに喜んだというわけである。

 判決は須江被告について「反省の弁を述べ」「被害者家族に被害弁償を申し入れている」などと情状を酌量しているが、その「反省」は本心か、「よっしゃー」の一言は疑わせるに十分だ。

 男の真の姿を伝える重大場面。だが、このシーンを伝えたのは当日夕方のNHKニュースと翌朝の産経新聞ぐらい。大手全国紙は判決こそ報じたものの、一行も言及はなかった。どういう了見か各紙に訊くと、

「取材や編集の過程については従前から回答しておりません」(毎日新聞)

 朝日は回答を控えるとのことで、読売からは期限までに回答がなかった。

週刊新潮 2021年3月25日号掲載

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