支持率は過去最低 「文在寅が家賃難民を作った」「早く政権交代を」の声と不動産政策の大失敗
誰よりも「不公平」な文大統領
そして今年2月4日、文政権になって25回目の不動産政策「2.4対策」が発表されたのだった。
これは過去最大規模の公共事業計画で、不動産「供給増」に舵を切るものだ。そして、事業を主導するのがLHなどの公社である。
これまでの文大統領の不動産政策は、「所有は1世帯1件まで、2年~5年の居住義務」を強いて不動産投機の抑制を旨としていたが、今回の「2.4対策」では、マンション建築に携わった組合員はその規制の外に置かれ優遇される。
他方、それ以外の国民が新規購入した住宅は「全額前金で現金精算」するように言い渡された。
マイホームを夢見て頑張って働いた国民の住宅融資に制限を設けて簡単に家を購入できなくし、国民や不動産業者に数多の規制をする反面、身内びいきで公共事業を拡大して民間の仕事を取り上げる。
文大統領の振りかざす「正義」は、国民にとっての「不公平」そのものだと非難されている。
大多数の国民が犠牲になり、一部の親文派が恩恵を受ける図式に国民には受け取められたのだ。支持率が過去最低を記録したのも当然のことだろう。
文大統領は苦境を挽回すべく、今回のこの土地投機疑惑を前政権で積み上がった「積弊」と規定し、職員への全数調査、事前予防と事後制裁、職員個人に対しても公職倫理から逸脱する行動をすれば厳しく責任を問うとした。
しかし、少なからぬ国民は、大統領に「何らかの思惑はなかったのか」疑っている。
事実、投機の始まりは2年前であり、大統領が価格高騰を懸念して新都市整備を掲げた時期である。国民は「公共」の「公」は「公務員」の「公」と嘆く有様だ。
韓国政府は4日から首相室主導で合同調査団を構成し、LH関連疑惑を調査すると発表したが、「対策は不十分」の声が後を絶たなかった。ただでさえ隠蔽体質が指摘されてきた文政権である。
そんな政権が捜査機関でもないのに合同調査チームに参加したところで、疑惑解明にはほど遠いと諦めムードが漂っている。すでに一部、大統領府の職員がLH勤務の家族と共に問題の土地を購入していたことがわかったが、「公的情報を悪用した例はない」と不問に付された。
文大統領による増税の連鎖
文大統領は「不動産だけは安定させる」と公言してきた。
それを信じ、生涯に亘るローンを組んだり、親の年金までかき集めてソウルに家を購入したりした者も多かった。
今回の公示価格引き上げにより、ソウル市内に資産価値6億ウォン(約5800万円)以上のマンションを所有する者に対しては、平均30~50%の保有税が課税される。
それは毎年、数百~1千万ウォン(約40~96万円)近くの税金が徴収され続けることを意味する。圧倒的な富裕層を除いて、国民に「家を買うな」「家を持つな」と言っているようなものだ。
加えて、負担増は不動産取引に関連する税金に限らない。相続税、贈与税、健康保険料、基礎年金、障害者年金など、あらゆる方向で増税は不可避の情勢だ。
与党・共に民主党の次期大統領候補である李在明・京畿道知事もまた、「炭素税」「データ税」「土地税」などの新設を主張し、他方では一時的な付加価値税の引き上げを主張。とにかく増税の話が続く。
2020年、文政府は税制改正を行って、超高所得者の税率を拡大したが、40%に迫った「勤労所得者の免税比率」を減らす対策はとらなかった。
国民の10人に4人が税金を払っていない異常事態なのに、相対的に有権者数が多い勤労所得者には減免措置を維持したのだ。
しかし、そんな付け焼き刃のやり方では税収減を賄うには至っていない。
文政権になって、高所得者への税収依存度は過度に高い水準に達しているにもかかわらず、与党は更なる富裕層への増税を予告。
繰り返しになるが、文大統領自らの失政が富裕層と庶民との分断を生み、さらなる失政や汚職疑惑が民間と公共との分断を大きくしていると言える。
持ち上がったLHの疑惑は、国民感情を逆なでし、「頼むからもう何もしないでくれ」「あと1年我慢すれば」「文政権が家賃難民を作った」「早く政権交代してくれ」などと失望の声も上がっている。
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