東京都医師会が切実に訴える特効薬「イベルメクチン」使用 「変異ウイルスにも有効」
東京都医師会長「コロナの薬としてもかなりよい報告が」
政府は3月18日夜、新型コロナウイルス対策として東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏1都3県に発令中の緊急事態宣言について、21日で全面解除することを決定した。そんな中、第4波に備えて東京都医師会が使用を提言しているのが、ノーベル賞受賞の大村智博士の発見から開発された「イベルメクチン」である。
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第4波に備えてワクチンとともに重要なのが、治療薬の整備だ。現在、注目されている薬のなかに、イベルメクチンがある。本誌(「週刊新潮」)が3月11日号で取り上げた主旨は、東京都医師会の尾崎治夫会長が3月10日、ラジオ番組で語った内容が端的に示しているので、一部を引用したい。
〈ノーベル賞を受賞された大村智先生が発見した、土壌の微生物から合成して作ったもので、もともとは抗寄生虫薬です。アフリカや南米などではオンコセルカ症という感染症があり、これが原因で失明されている方がとても多かったのですが、このイベルメクチンができてからそういった方がどんどん減り、何百万人も救われています。(中略)実はこの薬は、27カ国で世界的に治験が行われており、コロナの薬としてもかなりよい報告があります〉
治験不足も「政治的判断を」
日本でも治験が行われているが、その結果を待たずに「緊急使用」を認めてほしいと尾崎会長。実は東京都医師会は3月9日の会見でも、「第4波」に備え、イベルメクチン投与を検討すべきだと明言していた。角田徹副会長が説明する。
「現状、エビデンス不足が指摘されるイベルメクチン認可の動きを加速させたい。そのために北里大学で行われている治験、北里プロジェクトを後押しします。治験ではイベルメクチンとプラセボ(偽薬)のデータを120例ずつ揃える必要があるのに、まだ40例ほどしか集まっていません。医師会も、治験に協力してくれる方を集めるのに尽力します。ただ、順調に治験が進んでも厚労省に申請するまでに1年はかかってしまう。現状でも使えますが、保険適用外になってしまうので、緊急で使用できる環境を作りたい。すでに海外でも多く使われデータも集まっているので、医師の裁量で使ってもいい、という政治的判断をしていただくよう働きかけています。3月には自民党の新型コロナ対策医療系議員団本部の勉強会に、北里の先生と一緒にお邪魔し、イベルメクチンの現状と課題を議論しました」
もう一つが供給の問題で、
「現状、日本ではイベルメクチンは、疥癬など寄生虫に対して認可されているだけで、それを前提に製造されているので、コロナに使うには絶対数が足りません。イベルメクチンの製造元である米国の製薬会社メルクの日本法人MSDにも、そうした事情を伝え、意見交換をしています」
「変異ウイルスにも有効」
議員団本部長の冨岡勉代議士が述懐する。
「私どもも医師会同様、自宅療養者がじっとしているだけの状況を変えたい。角田先生にお越しいただいたとき、医系議員全員が“私たちがやらねば”という思いを新たにしたと思います。治験の人集めにも協力します。ただ、メルクは大村先生の言葉を借りれば、イベルメクチンを世に出したくないのではないか。いまの社長になって功利主義に傾いたとの噂も聞くし、大村先生もメルクと縁を切りたいようなご様子でした」
東京都医師会が、これほどイベルメクチンに熱心な理由を、角田副会長が語るには、
「現状では自宅療養者への手立てがありませんが、経口薬のイベルメクチンは自宅療養で使いやすい。さらには変異ウイルスにも有効だと考えています。たとえばワクチンは、ウイルスの突起に対する抗体を作るのに対し、イベルメクチンには、ウイルス自体が細胞に取り込まれるのを防ぐ効果などがあるからです。その意味で、変異株によって起こされる第4波への防波堤になると期待されます」
変異ウイルスにも有効である可能性があるなら、エビデンスの確認に安閑としている余裕はあるまい。