「ウチ彼」VS「知ってるワイフ」「モコミ」、2人の女性脚本家の評価は真っ二つのナゼ
1月クールで2人の大物脚本家のドラマが注目を集めたが、その評価は真っ二つに分かれている。片や“恋愛の神様”こと北川悦吏子の「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(日本テレビ・水曜・22:00)、もう一方は“ヒューマンドラマの女王”こと橋部敦子の「知ってるワイフ」(フジテレビ・木曜・22:00)、「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」(テレビ朝日・土曜・23:00)だ。ヒット作も数多い2人の評価は、なぜ分かれたのか。
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まず北川といえば、安田成美と中森明菜のW主演が話題を呼んだ月9ドラマ「素顔のままで」(92年・フジ)を皮切りに、大ヒットした恋愛ドラマが多いことで知られる。(以下、視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)
●「素顔のままで」(92年・フジ)
→平均視聴率26・4%/最高視聴率31・9%
●「あすなろ白書」(93年・フジ)主演:石田ひかり、筒井道隆
→平均27・0%/最高31・9%
●「愛していると言ってくれ」(95年・TBS)主演:豊川悦司、常盤貴子
→平均21・3%/最高28・1%
●「ロングバケーション」(96年・フジ)主演:木村拓哉、山口智子
→平均29・6%/最高36・7%
●「Beautiful Life~ふたりでいた日々~」(00年・TBS)主演:木村拓哉、常盤貴子
→平均32・3%/最高41・3%
今では信じられない視聴率だ。まさに“恋愛の王様”である。民放プロデューサーは言う。
視聴率は低調
「最高視聴率はいずれも最終回に記録しており、連ドラの理想的なパターンです。ところが今回の『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』は、初回に10・3%を記録したきり、2話以降は1桁に。最終回の前週である10日には7・9%と、最低を記録してしまいました」
一方、橋部は和久井映見主演の月9「ピュア」(96年・フジ)を皮切りに、草なぎ剛を主人公にした03年の「僕の生きる道」(フジ/関西テレビ制作)、04年の「僕と彼女と彼女の生きる道」(同)、06年の「僕の歩く道」(同)といういわゆる“僕シリーズ”3部作などで知られる。
「北川さんのような爆発的ヒットとは言えないまでも、いずれも最高視聴率は20%を超えています。障害や病を抱えた主人公のドラマが多く、心の機微を深く洞察し、人に寄り添う作風から、“ヒューマンドラマの女王”との異名があります。今期の『知ってるワイフ』は初回6・1%でしたが、これを下回る数字は出ていません。3月11日は7・6%でした。韓国ドラマのリメイクなので、自由に描くわけにはいかないと思いますが、ヒステリックな妻(広瀬アリス)と結婚したことを後悔する夫(大倉忠義[関ジャニ∞])が、過去にタイムスリップして人生のやり直しを図るというSFの側面もありますが、夫婦愛を描く脚本は相変わらず巧い。広瀬の迫真の演技もなかなか評判がいい」
もうひとつの「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」の主人公(小芝風花)は、感情を持たないはずの石や植物など気持ちが読みとれる繊細な“感覚”を持っている。が、それゆえ、変人扱いされることもあって引きこもりにも。そんな彼女が次第に外の世界と繋がる様子を描きつつ、恋愛にも踏み込んでいくストーリーだ。もっとも、どちらのドラマも視聴率的には、北川作品には及ばないようだが……。
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