韓国の明日を占う釜山市長選挙 勝手に争点にされた「日韓海底トンネル構想」のトンデモ

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待望のニューヒーロー

 3月4日、韓国の尹錫悦(ユンソクヨル)検事総長(60)は文在寅政権の“圧政”を痛烈に批判する言葉を残し、抗議の辞任。一躍、尹氏は来年3月に就任する次期大統領候補に躍り出た。そんな中、大統領選の趨勢を占うと言われる来月の釜山市長選で、日本と韓国を海底トンネルで結ぶ、というトンデモ構想が争点になっているのだ。

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 尹検事総長が辞任の挨拶で「これからも自由民主主義を守り、国民を守るために全力を尽くす」と発言したことで、反・文在寅勢力は色めきだった。その証拠に、まだ正式に大統領選出馬表明をしていないにもかかわらず、「次期大統領にふさわしい人物」を問う世論調査で、尹氏が32.4%の支持を集め、一気にトップに躍り出たのだ。

「前回の大統領選で文氏に勝利をもたらした中道層は、文政権の偽善に倦(う)んでいた。そんな文政権と対峙してきた尹氏は中道層、そして国民にとって待望のニューヒーローと映っている」(産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏)

 仮に反・文在寅の急先鋒である尹氏が大統領になり保守政権が誕生すれば、反日を掲げる現政権よりは“まだマシ”であるはずだ。

 その意味で注目されているのが、4月7日のソウルと釜山の両市長選だ。ダブル市長選で両方野党が勝てば、その勢いに乗って尹氏が大統領選出馬を正式に表明する可能性も出てくる。そんな尹氏の今後を左右しかねないダブル市長選で、野党側は「日韓海底トンネル構想」なる計画を持ち出してきたのだ。

「その構想の一案では、釜山と佐賀県唐津の間、全長約200キロを海底トンネルで結ぶことになっていて、総事業費は20兆円とも言われています」(韓国ウォッチャー)

 これに対し与党は「海底トンネルは日本への利敵行為」などと反発し、またしても日本が勝手に利用され、反日であるべきかどうかが争点になっているのだ。そもそも日本が同意していない以上、海底トンネルなど作れるはずもないのだが……。

 3月18日発売の週刊新潮では、文在寅大統領の逮捕もありうるという今後の見通しと併せて詳報する。

週刊新潮 2021年3月25日号掲載

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