五輪開催に暗雲? 体操W杯中止…3月25日までに結論か

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 東京五輪、ありやなしや――決断のときが刻々と迫っている。

 具体的に言うと、IOCのバッハ会長が再選された今月10日から聖火リレーがスタートする25日までの約2週間。中止が決まるとしたら、この期間の可能性が高い。逆にここを凌いだら、開催の可能性が一気に高まるという。

「基本的にIOCは五輪を開催したがっています。中止になれば莫大な実入りがなくなるわけですから」

 と大手紙デスクが語る。

「バッハ会長ももちろん開催したい。ただ、現実的にはかなり厳しい情勢ではある。それでもこれまでネガティブな発言をしなかったのは、ひとえに会長選をにらんでのことです」

 だが再選されたら理想論ばかり言ってはいられない。選挙前に“増税しない”と言っておきながら、選挙が終わるとちゃっかり増税する、どこかの国の政府と同じ手口である。つまり、これからはIOC内で現実を見据えた議論が始まる。

 その結論は、聖火リレーがスタートするまでに出そうである。というのも、

「聖火リレーは五輪の一部。ランナーが走るということは、既に五輪が始まっていることに他なりません。もちろん感染状況によってはその後に中止が決まることもありえます。ですが、いったん始まったものを止めるのは、始まる前にやめるより遥かに大きなエネルギーが必要になります」

 では、実際のところ、五輪はどうなるのか。

「9日、5月開催予定だった体操個人総合W杯東京大会の中止が発表されました。これに五輪関係者はショックを受けています」

 なぜなら、

「体操の国際連盟会長は渡辺守成さん。日本人会長を戴く競技団体が試合を開催できないのは衝撃です」

 5月までにはまだ時間がある。なのに現段階で中止の判断。その影響は大きい。

「5月といえば五輪本番わずか2カ月前。一競技の大会すら開催できないのに、33もの競技を行う五輪ができるわけない、と悲観ムードが漂っています」

週刊新潮 2021年3月18日号掲載

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