巨人の崖っぷちコンビ「野上亮磨」「陽岱鋼」 オープン戦から今年の活躍を占う
巨人にFAで移籍したものの、さっぱり活躍しない選手といえば、野上亮磨投手(33)と陽岱鋼外野手(34)だろう。いずれも今年結果を残さなければ、クビになりそうな気配である。巨人OBで野球評論家の関本四十四氏に、崖っぷちに立たされている今季の二人を占ってもらった。
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2017年オフに西武から巨人に移籍した野上は、3年で4億5000万円の契約を交わした。18年は4勝4敗、19年は1勝2敗の成績を残した。ところが19年の10月、日本シリーズに向けた調整登板で左アキレス腱を断裂。昨年は1軍での登板はゼロだった。
そして、3月9日、ソフトバンクとのオープン戦で581日ぶりに1軍のマウンドに立った。3番手で登板し、2回を2安打無失点に抑えた。ストレートは最速145キロをマーク。チェンジアップやフォークなどの変化球を低めに集め、4奪三振で復活をアピールした。
「良かった頃の野上の投球でした」
と解説するのは、関本氏。
アキレス腱は問題ない
「7回からの登板でしたから、打者はレギュラー級ではなかったものの、安定した投球でした。球のキレがあったし、制球も良かった。昨年2軍で投げていたときと比べても、見違えるように良くなっています」
アキレス腱断裂の影響はないのか。
「アキレス腱を断裂しても、復活した選手は何人もいます。南海の森下整鎮内野手は3回も断裂して復活しています。最近は、手術もリハビリも進化しているので、問題ないと思います。逆に、長期間休むことで、これまで溜まっていた肘や肩の長年の疲労を癒すことができた、と前向きに考えればいいのです」
野上の持ち味は、制球力という。
「ストレートは150キロ近く出るし、変化球のコントロールもいい。経験値も高いので、中継ぎとして活躍できるのではないでしょうか」
投手チーフコーチ補佐に就任した桑田真澄は、右肘の側副靭帯断裂でトミー・ジョン手術を受け、復活している。野上の復活に向けて大きな力となりそうだ。
一方、陽はどうか。
2016年オフ、日本ハムから巨人にFAで入団した陽は、5年で15億円の契約を交わした。
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