元慰安婦は今度は国務長官に抱きつくのか 米国の怒りを報じない韓国メディアの歪曲報道

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肉弾作戦は「だめもと」

――3月18日の米韓2+2で、韓国はどう振る舞うのでしょうか。

鈴置:Quad参加はもちろん、反中的な言質もとられまいと必死になるでしょう。ひょっとすると「元慰安婦の肉弾作戦」を展開するかもしれません。2+2の会談場や記者会見場に元慰安婦を送り込み、ブリンケン国務長官に抱きつかせるのです。

 元慰安婦がブリンケン国務長官に泣いて訴える映像がCNNで流れれば、「慰安婦は未解決」との認識が世界で広まります。そこでお得意の「日本が謝罪しないので米国とスクラムを組めない」との主張を展開する作戦です。

 2017年11月、訪韓したD・トランプ(Donald Trump)大統領に突然、元慰安婦が抱きつき、その写真を青瓦台(大統領府)が配布した事件もありました。文在寅政権には肉弾戦の「実績」があるのです。

 トランプ政権は日韓摩擦に無関心。そもそも米韓同盟はなくてもいいと大統領は思っていた。「大統領と元慰安婦との抱擁」が米国の政策に反映されることはありませんでした。

 ただ、日本に対する嫌がらせにはなって、青瓦台は国民の喝采をかちとることができました。文在寅政権にとって肉弾戦は「だめもと」なのです。

鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95〜96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『米韓同盟消滅』(新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

デイリー新潮取材班編集

2021年3月16日掲載

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