福岡県知事選に「舛添要一」擁立計画が? 本人が取材に語ったことは

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 倶(とも)に天を戴(いただ)かず――。

 そんな慣用句を地で行くのが、麻生太郎財務相(80)と武田良太総務相(52)だ。

 同じ福岡県選出でありながら、角突き合いを繰り返してきた二人。

 政治部記者も、

「閣議以外で顔を合わせるのは願い下げという関係。例年、財務相と総務相が同席する党税調の初会合でも、昨年は麻生氏が遅れて登場したのに対し、武田氏は出席見合わせ。いつもそんな調子なんです」

 こんな二人の周囲が再びピリピリし始めたのは、2月22日。肺腺がん治療のため入院していた福岡県の小川洋知事が辞意を表明し、4月11日に知事選が行われることになってからだ。

「小川知事は、2019年の前回知事選で麻生氏に対抗馬を立てられてしまった。このとき、武田氏は小川氏側に立ち、保守分裂選挙となったのです」(地元記者)

 武田氏や古賀誠元衆院議員の力を借りて勝利した小川知事。ところが、今回は真逆の構図になったという。

「自民党の県議たちが、小川県政の継承を訴えて副知事の服部誠太郎氏を担ぎ出し、麻生氏もこれを承認。“反麻生”が行動原理の武田氏は別の候補探しに奔走することになった」(事情通)

 最初に名前が出たのは、東国原英夫前宮崎県知事。

「古賀氏が言い出したのですが、現実味がないと白紙に。その後、白羽の矢が立ったのは元国交省局長の奥田哲也氏でした」(同)

 この人選には武田氏も大いに乗り気だったが、

「地元財界はすでに服部氏を支持。何とか奥田氏をねじ込もうと武田氏は県選出の国会議員を集めたのですが、流れを変えられないと悟ったか、2月28日の会合は欠席した」(同)

 勝負は決したかにも見えるが、ここへきて意外な人物の名前が囁かれ始める。

「前東京都知事の舛添要一氏(72)です。武田陣営から土壇場になって福岡出身の舛添氏を推す声が聞こえるようになったのです」(同)

 当の舛添氏に尋ねると、

「それはないです。地元の新聞社からも取材があったのですが、全くないから笑っておいてください」

 とはいえ、後出しじゃんけんの極意は最後まで手を明かさないこと。失意のうちに都知事の職を辞した舛添氏。首長への未練はないのか。

「細々と物書きをしながら暮らしますよ。都知事時代にあれだけボコボコにされていますし、もうイメージも失墜しています」(同)

 告示日は今月25日――。

週刊新潮 2021年3月11日号掲載

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