ヤンニ・オルソンが日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第80回は、ヤンニ・オルソンさん。今回は「FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)」に伺いました!!

 スカンジナビア半島の東側を占める北欧最大の国、スウェーデン。広大な自然、トナカイ、白夜、ノーベル博士……日本からおよそ8千キロ離れたかの国の“名物”は少なくないけれど、実はお菓子の発信地としても名高い。

「スウェーデンではどんなに小さな家でも、備え付けのオーヴンがあります。だからみんなよくお菓子を作るんですよ」

 そう語るのは、“アウトドアガール”としてテレビや雑誌で活躍するヤンニ・オルソンさん。もちろん彼女も、幼少時からお菓子作りに励んだクチだ。また、スウェーデンには羨むべきこんな習慣もある。

「スウェーデン人はみんな“フィーカ”という、甘いものを食べて一息つくコーヒータイムをとります。いくら仕事中だろうと、一度フィーカに入ったら、絶対に仕事の話をしないのが作法なんですよ。リラックスするための時間ですからね。

 いきなりデートのお誘いもよくないです。まずは“フィーカしませんか?”って声かけるのが理想。フィーカを断られることは滅多にないですから」

 2015年から日本で生活する彼女が、フィーカを満喫するために訪れるのが、東京・豪徳寺の「フィーカファブリーケン」。訳すと“お茶の時間工場”となるこちらは、スウェーデンに留学経験のある日本人女性の社長が腕をふるったチャーミングなお菓子で大人気なのだ。

“ホームシックになると自転車を飛ばして駆けつける”ヤンニさんのお目当ては、ずばり「シナモンロール」。馴染み深いこのお菓子、実はスウェーデン発祥なんだとか。

「渦巻の尾っぽからちぎって食べるのがコツ。最後に残る真ん中の部分に一番甘みが凝縮されていますから」

 嬉しそうに頬張る。故郷では2歳の頃からおばあちゃんと生地作りをした思い出の味だという。カフェラテとの相性もバッチリ。

 ほかにも、本国ではイースター、すなわち復活祭の前に食べるならわしの、クリームたっぷり「セムラ」を期間限定で販売するなど、本格派の“フィーカ工場”である。雑事を忘れて、一息ついてはいかが?

週刊新潮 2021年3月11日号掲載

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