命を賭した「殉職警官」のパトカー 車体が激しく損傷、屋根の赤色灯がもげて
「大変な仕事だから、ちょっと心配」
今回の震災で、岩手県警では7名の警察官の死亡が確認されている。中には公休日に自主的に出動し、住民に避難を呼びかけている際に津波に襲われた警察官もいた。警察庁によると今回の震災で殉職した警察官は岩手、宮城、福島の3県で20名、いまだに10名の安否が確認されていないという(4月6日現在)。また百鳥巡査が勤務していた高田幹部交番のように、損壊や流失などにより使用不能に陥った交番・駐在所は3県で55カ所。警察署なども合わせると、被災した建物は154カ所に及んでいる。
百鳥巡査の親戚の男性が嘆く。
「あの子が警官になった時、両親がこう口にしていたのを思い出します。“立派な仕事について本当によかった。でも、大変な仕事だから、ちょっと心配……”」
残念ながら、両親の一抹の不安は、想像をはるかに超えた形で現実となった。が、そのために救われた命は数え切れない。
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