矢沢永吉 日産に続いてサントリー「プレモルCM」も降板 業界で流れる“終活説”

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キムタクとの奇縁

「『BOSS』をきっかけに矢沢さんはテレビにも出演するようになりました94年には連ドラ『アリよさらば』(TBS)では主演の教師を演じています」

 ちなみに生徒役には、TOKIOの長瀬智也、松岡昌宏、V6の井ノ原快彦がいた。

「近年では『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日)第1シリーズ(18年)の最終回にキムタクの警護対象として本人役で特別出演しました。キムタクのたっての願いで実現したそうです」

 最終回の平均視聴率は17・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったが、永ちゃんの登場シーンで22・3%に跳ね上がったという。キムタクの目論見通りだったわけだ。

「昨年8月、日産のCM“やっちゃえNISSAN”では矢沢さんからキムタクにチェンジしました。矢沢さんは15年8月から丸5年出演していました。この間、17年6月21日には、乗用車を運転中にタクシーと接触事故を起こしたのですが、CMを降板することはありませんでした」

 永ちゃんが対向車に道を譲ろうとバックした際の接触事故であったため、あの永ちゃんが道を譲るのか、と驚きの声が上がった。さらに自動車事故を起こしても降板させなかった日産の対応も話題となった。

「偶然にも、矢沢さんの事故の前日、キムタクも自動車事故を起こしています。彼の場合は、信号待ちのバイクに追突しました。キムタクは94年から20年以上、トヨタのCMに出演していました。ちょうどこの年のなるまで『カローラ』のCMに出演しており、すでに契約は切れていたのですが、事故のせいで降板させられたなんて噂にもなりました」

 ところが、キムタクは日産に乗り換えたのだ。

「長年、ライバル社のキャラクターを続けてきたキムタクを起用するのは異例と言っていいでしょう。ただ、日産のCMも矢沢さんからの意向で降板したと言われています。立て続けの降板に、矢沢さんも70歳を過ぎて終活をはじめたのか、という話が広まっています」

 永ちゃんが終活? 彼はこれまで様々な名言を残している。その中から真意を探ってみよう。20代の頃に放った言葉がファンの間では有名だ。

矢沢名言録

〈50になってもケツ振って、ロックンロールを歌っているような、かっこいいオヤジになってやる〉

 いかにも永ちゃんらしい。実際に50代になったときにはこう言っていた。

〈70歳になった時、若者に交じってロックフェスティバルに出るんだ。もちろん、白いスーツでね〉(「スポーツニッポン」07年7月5日付)

 公約通り、ロックフェスにも出演した。そして高齢化についてはこう語ってもいた。

〈年取るってのは、細胞が老けることであって、魂が老けることじゃないんだよ。同時に若いってことは、細胞が若いんであって、魂が光ることじゃないのよ〉(「日刊スポーツ」12年8月8日付)

 やはり変わっていない、と思いきや、こんな弱気も見せた。

〈声が出ない、マイクを振り回してもキレが悪いって時が、いつか来るでしょう。「どう、俺のボーカル?」ぐらいの自己顕示欲がないと様にならない。ステージに立って、セクシーなフェロモンが出てないなと自覚したら、その時は降りる時〉(「東京新聞」10年6月9日付夕刊)

 その一方で、一昨年はこう言っていたのだ。

〈世界にはエアロ(スミス)とか、ミック・ジャガーとか70過ぎて現役バリバリなのはいるけど、日本にはいない。オレやります。ヨロシク!〉(ロックフェス「ONE NIGHT SHOW 2019」にて)

 ところが、70歳を迎えてすぐの19年11月、ツアー中の福岡公演と浜松公演が、のどの不調により中止となった。11月末からツアーに復帰したとはいえ、体調不良によるライブ中止は、47年ものボーカリスト生活で初のことだった。

 加えて、昨年はコロナ禍のため、予定されたツアーの全日程が中止となった。

「矢沢さんが丸1年、ステージに立たないのは、“少しじっくり距離を置いて考える”と宣言してライブを行わなかった08年以来のことだと思います。CM降板の理由は、コロナ終息に向け、ロックンロールに絞って、活動再開に備えているためと思いたいですね」

デイリー新潮取材班

2021年3月12日掲載

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