住民を避難させ津波に呑まれた「消防団員」の兄が語る「まだ弟の気持ちが分からない」 #あれから私は
「俺はまだ弟の気持ちがわからないんだ」
停電で鳴らぬサイレン、押し寄せる津波。岩手県大槌町の消防団員だった越田冨士夫さん(57)=当時=は、住民避難のために最後まで半鐘を鳴らし続け、「殉職」した。地元で墓を守る兄が現在の胸中を語った。
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「半鐘を弟はどういう思いで鳴らしていたんだろうか。津波が襲い掛かった瞬間、後悔はなかったのか。俺はまだ弟の気持ちが分からないんだ」
そう語るのは、冨士夫さんの兄・越田聖一さん(69)である。20年以上の長きにわたり大槌町の消防団員を務めていた冨士夫さんは10年前の地震発生直後、消防団の屯所にいた。...