「話がうまい人」の3つの特徴 流暢さより大切なものとは?(古市憲寿)
経済学者のフリードリヒ・ハイエクは1975年に西山千明と行った対談の中で、「宿敵」ケインズについて、こんなふうに語っている。
「調子のいい時には比類ないほど上手な文章を書き、しかもすばらしい声の持ち主で、彼の講演は人の心をひきつけずにおかない魅力的なものでした。それらを駆使して人を説得する、抜群の説得力を持っていたのです」(『新自由主義とは何か』東京新聞出版局)
ハイエクはケインズ経済学を真っ向から批判する。曰く、ケインズは1930年代の世界恐慌の時にのみ有効だった解決策を、一般理論として主張してしまった。...