「客を慰めることが自分の癒やしになった」 震災直後、デリヘル嬢たちが向き合った“絶望”と“再生”
「お風呂に入れなかったお客さんの頭を洗ってあげた」
10年前の東日本大震災で、4千人近くの死者・行方不明者を出した宮城県石巻市。「戦場から風俗まで」を取材テーマにしているノンフィクション作家の小野一光氏は、震災後すぐに現地へ。そこで出会ったのは、自らも被災した風俗嬢たちだった――。
(「新潮45」2012年3月号より抜粋)。
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小野氏のレポートは、石巻市のデリヘル経営者の談話から始まる。地震発生時、店では3人の女の子が接客中だったというその店の経営者は、彼女たちと一緒に車で避難しながら、他の女の子たちの安否を確認し続けた。...