役立たずのCOCOAに続き…73億円で開発「オリパラアプリ」に早くも囁かれる不安

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いくらかかるのか

 だが、官邸界隈で大問題になっているのは、こうした技術的な話ではないという。

「和泉さんが半ば独断で進めていたので、いったいどこの大臣が各省庁の調整を行うのか、と問題になりました。最終的には加藤勝信官房長官が担当することになったようですが、加藤さんは最後まで難色を示していました。万が一アプリがまともに稼働しなかったら、一身に批判を浴びることになるわけですからね」(前出の官邸幹部)

 さらに、IT総合戦略室の関係者は驚きの事実を明かす。

「入札ではNTTコミュニケーションズと日本ビジネスシステムズ、NEC、それにアルムとブレインという会社がコンソーシアムを組んで落札しました。73億円はアプリや各省庁のシステムとの連携基盤の開発・運用・保守ということになっていますが、各省庁のシステムとつなげるにはその改修が必要です。最終的な費用は73億円では収まるはずがありません」

 追及する野党議員らからも、「すでに90億円くらい使ったのではないか」との声が出ているという。

 伊藤議員は1月の質問で、会計検査院が指摘した不適切事例としてこんな話を紹介していた。

「(不適切事例は)直近3年で総額26億円ございます。中には、18億円を使って開発したのに、ただの1度も使用しないまま廃止したシステムも含まれます。(中略)COCOAもまたそのひとつになるんではないかと危惧しております」

 COCOAはもとより、73億円もの“血税”を注ぐオリパラアプリが完成したとしても、本当に機能するのか。

「3月4日に開いたオリパラの5者協議では、海外から受け入れる観客規模を3月末までに決めるとしましたが、一部では『海外からの観客(80万人)は受け入れずに開催する』といった話が政府筋の情報として流れています。もしそうなれば、何のためのアプリか分からなくなってしまいます」(前出の政治部記者)

デイリー新潮取材班

2021年3月9日掲載

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