のこぎりで76歳「妻」が83歳「夫」を殺害 20年前に容疑者を激怒させた夫の所業とは
76歳の妻が、83歳の夫に馬乗りになり、のこぎりで首を切りつけ殺害するという事件が起きた。何が妻をこのような残忍な犯行に駆り立てたのか。現場となった神奈川県茅ヶ崎市で夫妻の軌跡を追った。
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のこぎりで樹々が切り取られた庭
JR辻堂駅から徒歩20分。閑静な住宅街の一角に、現場となった2階建ての一軒家はあった。築45年の木造住宅は1年ほど前に黒いペンキで塗装されたといい、古めかしくは見えない。
庭を覗くと、寒々とした光景が広がっていた。10坪ほどの大きな庭には、何一つ物がない。目につくのは、枝葉をことごとく伐採され、数十センチの幹のみを残した数本の木だけだ。近隣住民によれば、かつては庭を囲むように樹木が生い茂っていたという。今年になってからのこぎりで剪定を始める老婆の姿が度々見かけられ、日に日に枝葉が寂しくなり、3月に入るとほとんどが刈り取られてしまっていた。
そして、3月5日に事件が起きたのだった。
神奈川県警茅ケ崎署は、この住宅の寝室で寝ていた夫の丸壽雄さん(83)の首をのこぎりで切って殺害した疑いで、妻の洋子容疑者(76)を逮捕した。
「事件が起きたのは午前11時頃。妻は夫に馬乗りになり、刃渡り25センチののこぎりで喉ぼとけを数回にわたって切りつけ、夫が亡くなっていく様子を2時間ほど見届けたと供述しています。その後、近くに住む娘を呼び出し、殺害を告白。娘に促され、午後8時頃に警察に連絡を入れました。取り調べに対し、『暴力や家にカネを入れないなど長年の恨みがあった』と話しています。家には息子も同居していましたが、事件発生時は外出中でした」(県警担当記者)
仙人のような姿だった
突如起きた凄惨な事件に、近隣住民は驚きを隠さない。
「大人しそうなおばあさんですよ。足を悪くしているのか、ゆっくりと歩いて買い物に出かけていく姿をよく見かけました。顔を合わすと、挨拶もしてくる感じの良い方です。40歳くらいの息子さんが同居しているのは知っていましたが、旦那さんの姿を見かけたことはまったくなかったので、びっくりしています」
だが、家が近い一部の住民だけは夫の存在に気づいていた。
「いつだかは覚えていませんが、窓からご主人の姿を見たことはあります。仙人のように、髪とヒゲが伸びた痛々しい姿でした。出歩いるのを見たことはもう20年近くないと思います。おそらく病気をして寝たきり状態だったのではないでしょうか。いつも窓は雨戸まで締め切られている家だったので、他の方々が知らなかったのは不思議じゃありません」
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