ワクチン接種で日本に後れを取り、OECD内で最も遅い、文在寅の「K防疫自画自賛」に批判の声

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11月からは集団免疫を形成

 要するに、ワクチン確保、接種計画、接種管理、どれ一つ明確なメドが見えていない。世界的にも不足しているのだから、必ずしもすべてが政権のせいではないのだが、韓国民はイライラを募らせている。過去のK防疫自慢が裏目に出ているのだ。

 韓国野党「国民の力」のベ・ジュンヨン報道官は口頭論評で、「政府も"K防疫の広報"にばかり熱を上げ国民のため息をさらに深めている」と批判した。

「国民のため息」の理由は、言わずもがなだ。

 韓国の国内新規感染者数は300~400人台で上下を繰り返し、家族・知人の集まり、職場などを中心に大小の集団感染が相次いだことから、5人以上の集まりは禁止され、店舗営業は夜10時までに制限され、対面接客業はその影響をまともにうけた。

 そういった”経済的被害業者”たちは、ワクチン接種の開始でコロナ規制措置の緩和を期待していたが、「3月1日から2週間、現行措置を維持する」という政府発表に失望を隠せずにいる。

 韓国政府は今年11月までに全国民の70%以上の1次接種を終え、11月からは集団免疫を形成して新型コロナの危機から抜け出すという計画を立てている。

 K防疫を自画自賛する文大統領が、そう簡単に規制措置を緩和させるとは思えない。

 仮に緩和した結果、新規感染者数が増加したとなれば、K防疫の牙城が崩れることになりかねないからだ。

 K防疫至上主義から宗旨替えできないなか、冷え切った消費を立ち直らせるには時間を要するに違いない。

 実体以上に手柄を誇ったあまりに、足を取られている状況――これが韓国の現状ではないか。

 世界的に見た場合、日本は新規感染者数をそれなりに抑え込んでいるという評価もあるが、リーダーがそれを誇るようなことはないし、J防疫などといった言葉を用いたりはしていない。新型コロナに関して首相のメッセージは良くも悪くも抑制的である。

 これでもし日本に先にワクチンが行きわたり、新規感染者数がぐっと落ち着きを見せるようになれば、「ショーをするよりワクチンを!」の声が、韓国民全体に広がることになるだろう。

北条時子
1976年生まれのライター。韓国人の夫と共に渡韓し、ソウル在住。

デイリー新潮取材班編集

2021年3月8日掲載

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