初の「東大卒」真打、春風亭昇吉が語る「東大生に最も向かない職業」をなぜ選んだのか
2月16日、落語芸術協会の真打ち昇進会見が開かれ、5月1日付で真打ちとなる4名、三遊亭小笑(40)・春風亭昇々(36)・春風亭昇吉(41)・笑福亭羽光(48)のお披露目が行われた。中でも、昇吉は落語史上初の東京大学卒である。いったいなぜ、“最高学府”を出て噺家になったのか。本人に聞いた。
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――真打ち昇進おめでとうございます。
昇吉:ありがとうございます。
――東大出の噺家は史上初とか。
昇吉:過去に東大卒業の入門者は2人ほどいたようです。正確な人数はわかりません、調べようがない。しかし、いずれも廃業されたようで、真打ちに昇進するのは僕が初めてだそうです。
東大に向かない職業
――昇吉師匠は東大経済学部時代、全日本学生落語選手権・策伝大賞で優勝。さらに落語によるボランティア活動などが評価され、第1回東京大学総長大賞を受賞している。卒業直後の07年4月、春風亭昇太(61、当時47)に入門。すぐに“東大出の落語家”として話題になり、二つ目の13年には「東大生に最も向かない職業――僕はなぜ落語家になったのか?」(祥伝社)なる著書も出版している。やっぱり東大卒の経歴は、落語家にとっても有利なのでは?
昇吉:それはどうでしょう。確かにこれまでは、記事になったり、本を書かせて頂いたり、顔と名前を覚えてもらうには有利だったかもしれません。「『蒟蒻問答』の蒟蒻って漢字で書いてみろ」なんてイジってもらったりしましたからね。でも落語家としては学歴は関係ありませんし、「なまじ学問はないほうがいい」とまで言われる世界です。師匠の昇太からも「東大じゃないほうがいいんだよ」とも言われています。高座では東大をネタにしたことはありませんし。むしろ東大とは関係なく、面白いと言われたいです。
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