事件現場清掃人は見た 自殺した夫が発見された浴室で妻が口にした“信じられない言葉”
どうしていいかわからない
ご主人が亡くなったというのに、彼女からは悲しみの感情はひとかけらも感じられなかったという。
「『死にやがって!』と彼女は何度も言っていました。執拗なご主人への恨み節を聞いていると、私には亡くなったご主人が、彼女から追い詰められて、死を選んだのではないかとさえ思いました。まるで、私が責められているように思えてきました」
現場は3DKの新築マンションだった。
「売却することになりましたが、いくら新しくても事故物件なので高くは売れません。おそらく売れても借金を完済することはできないでしょう」
そのことを承知していたのか、奥さんは、こうつぶやいた。
「これから、どうしていいかわからない」
高江洲氏は、
「心情、お察しします」
と、答えるのが精一杯だったという。
「借金苦を原因に夫が自殺するケースでは、残された家族が悲しみよりも怒りを表す場合がけっこうあります。こういう場面に出くわしてしまうと、私は心が折れそうになります。自分が責められたような気持ちになり、しばらく立ち直れなくなるんです」
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