「クロ現・武田アナ」異動のホントの理由と、“看板アナ”として抱えてきたもの

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

プレッシャーが

 NHKは先月、武田真一アナ(53)が「クローズアップ現代+」のキャスターを“卒業”し、大阪放送局に異動することを発表した。「武田ロス」も囁かれ、異動の理由を探る動きもあったが、その本当のところと、長年看板アナとして抱えてきたものについてレポートする。

 今回の移動について武田アナは、「日本で2番目の街なのに、大阪に住むことを考えたことがありませんでした。知らず知らずのうちに東京から日本をながめることに慣れきっています。大阪の言葉に包まれて暮らすのはどんな感じ? 東京や他の地方はどう見える? 流れに身を任せ、呼び寄せられて人生を転がしてみるのも悪くない…。そこから見える新しい風景を楽しみにしています」とコメントしている。

 実際どうだったかというと、周辺にこんな風に漏らしているという。

「全く想定していなかった。青天の霹靂です」

 1999年4月に、土日正午の『NHKニュース』に抜擢された。31歳の時だった。

 2000年4月からは6年間、平日正午の『NHKニュース』を担当すると同時に、大きな事件や事故、突発的な災害が発生した際の臨時・特設ニュースも担った。

 沖縄への異動を挟み、2008年からは9年に亘って『ニュース7』のメインキャスターを務めている。長年、NHKの顔であり、日本のニュースの顔だったと言っていいだろう。

 NHKの幹部職員によると、

「武田アナは、30代の前半から日本で最も注目されるニュース枠の1つに登場していただけに、“プレッシャーが物凄かった”と話していたことがあります。NHKでは過去、覚醒剤がらみで逮捕されただの、強制わいせつ容疑で逮捕されただの、あるいは酒と女の件で週刊誌にリークされてトバされて退局を余儀なくされただの、アナウンサーの不祥事がさまざまありました」

前田会長の鶴の一声

 もともと武田アナは真面目だからそんなトラブルとは無縁なのだが、

「それでも何か間違いがあってはいけないと強く自らを戒めていたのでしょう。また、民放とは違って、ウチはアナウンサーの立場が低い。取材する記者や映像を作る立場の人間の方がヒエラルキーの上位にあります。そういう前提があって、人それぞれ、極度のプレッシャーから逃れる術をいろんなところに求めるわけです」

 普段のイメージとはちょっと違って武田アナの趣味はロックだという。

 番組でかつてギターの腕前を披露したこともあった。が、これとてストレス解消法としては十分ではなかったようだ。

「確かに出社する時の装いもジーンズなどをはいていて、武田アナとはほとんど誰もわからないほどラフですが、ロック絡みのことが息抜きにつながっているかというとそこまでではないようです。裏返すと割と溜め込むタイプで、“息抜きの方法がなかなかない”という風に話していたこともありましたね」

 新たな赴任地・大阪では「列島ニュース」や新番組「ニュース きん5時」を担当するという武田アナ。政権批判などが異動につながったのでは、といった推測も一部では流れたが、そうではなくむしろ異動にはトップのキャラクターが関係しているのだという。

「現在のウチは、かなり前田晃伸会長の色が濃くなっています。前田さんは元みずほファイナンシャルグループの会長。銀行マンらしい発想と言えると思いますが、“東京に人材などが一極集中し過ぎている。全国各地の拠点局に力を入れろ”とハッパをかけている。今回の異動はその結果であって、良く言えば要するに武田アナの実力に全幅の信頼を置いてということでしょう」

次ページ:自分を追い込むところが

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。