丸山知事が聖火リレー中止検討 島根県庁に寄せられた支持、不支持の声はどれくらいか
島根県の丸山達也知事(50)が2月17日、「東京オリンピック・パラリンピックの開催には賛同できず、聖火リレーも実施すべきではない」と発言、波紋を広げている。
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改めて説明すると、丸山知事は17日、次のように発言した。
「首都圏における新型コロナウイルス感染症拡大が進んでおり、その対応が改善されない中では、夏の東京オリンピック・パラリンピックの開催には賛同しかねる。そしてその前段となるオリンピック聖火リレーの実施も中止を検討したい。心待ちにされていた聖火ランナーの皆さんを始め、ボランティアに応募いただいた方々、裏方として準備にあたってこられた市町村の皆さんの心情を思うと、誠に申し訳ない思いであるが、理解いただきたい。今後1か月程度様子をみて最終判断したい」
さらに翌18日、聖火リレーの中止の理由として、島根のような感染数が少ない地域の飲食店が大都市のような支援を受けていないことを挙げた。五輪や聖火リレーを開催してさらに感染拡大したら、島根の飲食店は窮地に追い込まれるというわけだ。
この発言に対していち早く反応したのは、島根2区を地盤とする自民党竹下派の竹下亘会長(74)である。「丸山知事を呼び、注意をしっかりしないといけない」と語ったことに対し、上から目線の物言いじゃないかと反発を招いているのだ。
知事が決めるこっちゃねえ
島根と言えば、「竹下王国」だ。にもかかわらず、丸山知事が敢えて反論を翻した背景には、こんな事情がある。
丸山知事は、東京大学法学部を卒業後、自治省(総務省)に入省。2013年に島根県に出向し、19年の島根県知事選に出馬した。県議14人らの支持を得たものの、竹下氏が党推薦候補とした元消防庁次長の大庭誠司氏と対立し、44年ぶりに保守分裂選挙となった。
丸山氏が大庭氏に勝利したため、竹下氏に忖度をする必要はないというのだ。
25日には、「新型コロナ感染対策の改善と強化」「島根県の飲食店等への支援がなされないままの五輪開催には反対」という2つの要請書を携えて上京した。厚生労働省の山本博司副大臣、細田博之衆議院議員、竹下氏など5人の議員と3人の省庁関係者と面会している。
竹下氏との会談では、両氏はグータッチをして見せたものの、すかさず竹下氏は、
「コロナ対応はものすごく大事だが、それと聖火リレーは次元の違う話だ。違和感がある」
と、けん制した。そして、聖火リレーを実施する判断については、
「組織委なり、国民なり、あるいは世界が決めることであって、知事が決めるこっちゃねえだろう」
と、クギを刺したのだ。
丸山知事は25日夜、聖火リレーの予算は県が執行すると発言。竹下氏の言いなりにはならないことを示唆した。
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