「JRA」給付金不正受給問題がマスコミに飛び火 問われる競馬記者たちのモラル

国内 社会

  • ブックマーク

受給していた専門紙の記者がいた! 直撃取材に記者は……

 取材を進めると、ある新聞社が発行している競馬専門紙の契約社員・B記者が持続化給付金を受給していたという複数の証言が得られた。B記者は関東の美浦トレーニングセンター(茨城県)の所属で、彼が担当する厩舎も調教師を含めて持続化給付金を受給しており、B記者が関与しているのではないかという話だった。

 B記者に電話で直撃すると、当初、彼は激昂しながら疑惑を否定したが、詳しく話を聞いていくうちに、自身が持続化給付金を申請し受給したことは事実と認めた。B記者の言い分はこうだ。

「今回指摘されているような不正受給ではありません。X氏、A記者とは関係なく、個人で申請しました。僕は契約社員ですけど、そういう立場でも副業で影響を受けた場合、申請できるのです。給与所得があっても事業所得として確定申告を過去何年かしていて、事業所得が給与所得よりも多い場合、コロナの影響によって減額していれば受給の対象となります」

――それは本来の給付金の趣旨とは違うグレーな申請にあたらないか。

「そのあたりの判断は、僕は国に任せます。僕は何も隠し事はしていない。給与所得の金額と、事業所得の金額と、両方ともしっかり書いた紙を出しているわけです。普通の記者の方々と違うのは、僕はそこそこイベントの仕事とかをやらせていただいていて、競馬場が無観客になった影響でかなり仕事が減っているんです。これは明らかにコロナの影響です。このことによって、収入が半額以上になった月があり、それで生活も苦しかったので、申請させていただきました」

――返還するつもりはない?

「なぜ返還する必要があるのか、僕はまったくわからない。僕の認識では、嘘の申請をした人は当然弾かれると思っていた。そして、通った。実際、嘘の申請は一切していません」

――あなたが担当している厩舎でも持続化給付金を受給していたと騒ぎになっているが、勧誘など関与した事実はないか。

「僕も担当厩舎が受給していたことを1週間前に初めて知りました。僕は勧誘していませんし、一切関係ありません」

 所属する新聞社にも見解を問うたが、

「弊社では契約記者の副業を認めており、B記者から、副業部分において適正に給付金を申請し、受給したと報告を受けています。勧誘にも関与していないと聞いており、問題ないと考えております」

次ページ:「競馬記者に記者倫理なんてないですよ」

前へ 1 2 3 4 次へ

[3/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。