大谷翔平の「2年9億円」は高い? 安い? 球団からの評価を分析

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 エンゼルスの大谷翔平(26)が年俸調停委員会による公聴会を回避し、球団側と2年850万ドル(約9億円)で合意した。

 当初、大谷側は単年330万ドル(約3億5千万円)を要望し、球団側が提示した額とは80万ドル(約8400万円)の差があった。

 年俸3億円超え確実だった日本ハムを飛び出し、6千万円でメジャー生活をスタートさせた男である。さらに言うと、渡米を1年遅らせれば、メジャーが設けた契約の年齢制限をクリアし、総額1億ドルの大型契約もありえたとされる男である。その男が1億円足らずの差額で揉めるとはがっかりだが、

「大谷本人は相変わらずカネに無頓着。代理人が、他の契約選手たちに仕事ぶりをアピールするためでは」

 と大手紙デスクが語る。

「公聴会が開かれると、選手がいかにダメかを球団が滔々と述べる。これは選手にとって辛いことで、これによる心的外傷が原因で本当にダメになってしまう選手もいるほどです」

 そんな調停が回避されたのは何よりだが、“2年9億円”はどう評価すればいいのか。

「揉めている選手に複数年契約を提示すること自体が珍しいことです」

 とメジャー研究家の友成那智氏が解説する。

「貢献度を数値化したWARというものがありますが、昨季の大谷のそれはほぼゼロ。にもかかわらず、今季のみならず来季も雇ってくれるという。エ軍が大谷を厚遇している証です」

 もっとも、大谷のこれまでのWARを友成氏に見立ててもらうと、メジャー1年目は投打で23億円相当の活躍、2年目は打だけで15億円相当の活躍だったとか。つまりエ軍は既にボロ儲けしているのである。

 単年でも3年でもなく2年という契約の意味は?

「巷では“打者専念論”が喧(かまびす)しいですが、“あと2年は二刀流を試す”という意思表示なのでしょう。エ軍は、野手は揃っているものの、いかんせん先発投手陣が弱すぎる。“打者大谷”がそこそこ使えるのはわかっていても、やはり投手としてより貢献してほしいと思っているはずです」(同)

 期待膨らむ“投手大谷”。しかし、そこにはエ軍ならではの不安要素もある。

「大谷は3年前、“トミージョン”という肘の手術を受けました。患者の9割は完治しますし、若いほど回復しやすいので、大谷は心配ないと思いたいんですが……エ軍でこの手術を受けて復調した選手がほとんどいないんです。トレーナーに問題があるのかも」(同)

 まずはキャンプで元気な姿を見せてほしい。

週刊新潮 2021年2月25日号掲載

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