事件現場清掃人は見た 父親の遺体と共に数週間過ごした娘がとった意外な行動とは

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遺体とともに暮らす

「部屋は、几帳面に整理整頓されていました。本棚に並ぶ参考書から、学生時代は成績優秀であったことが見て取れます。大企業に入社後、仕事の重圧が原因で発症したのかもしれません。精神疾患を患うと、自分のこと以外関心がなくなるそうです。父親が動かなくなっても、あまり気にもとめなかったのでしょう。父親の死を認識できないまま、彼女はしばらく、遺体とともに暮らしていたのです」

 彼女は警察が来て、初めて父親の死を認識した。

 高江洲氏が清掃した際は、依頼主は仕事で立ち会えず、娘さんしかいなかったという。

「遺品整理をするとき、一応彼女の指示を仰ぎました。彼女は仕切りたがって、『これいらない、これはいる』と、色々指示するので、その通りに整理しましたが、その度に義兄に電話して、彼女の指示で大丈夫か確認を取りました。そのため、作業はすごく時間がかかりました。なぜか、娘さんのお姉さんは、一度も現場には現れませんでした。妹とは没交渉だったのでしょうか」

 父親が亡くなったことが分からず、遺体と共に数週間過ごしたとは……。何とも気の毒な話である。

「依頼人の義兄が日頃から義父を気にかけていたから遺体が発見されたわけですが、もしあのまま放置されていたら……。今となっては、娘さんの体調が回復することを祈るばかりです」

デイリー新潮取材班

2021年3月1日掲載

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