水泳「長崎宏子」が語る“人生最大の挫折”とは 「子どもには、あんな思いさせたくない」(小林信也)

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 モスクワ五輪を知る世代なら「長崎宏子」の名を鮮明に覚えているだろう。水泳日本選手権女子200メートル平泳ぎで優勝、モスクワ五輪代表に選ばれた時まだ12歳、小学6年生だった。

「オリンピックを意識したのは代表に選ばれてからですね。オリンピックのオの字も知りませんでした。選ばれた時すでにボイコットは決まっていたのですが、よく覚えていません」

 秋田で生まれ育った少女が、自分の天性に出会った日のことを話してくれた。

「私は小学校に入ってから、スイミングスクールで泳ぎを覚えたので、水に潜ること、浮くことすべて『克服しなきゃいけない』という感覚で教わりました。...

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