「いきなり!ステーキ」のキッチンカーが登場 最後の切り札か、食べてみた
ステーキ串の可能性
掃夫:肉質の話に戻しますけど、「いきなり!サーロインステーキ串」と同じ790円あれば、スーパーで輸入牛のサーロインが購入できます。それを常温に戻してから、一気に焼き目をつけてアルミホイルに包んで寝かせて……という焼き方をすれば、手間はかかるけどかなり満足できるステーキが焼けます。インジェクションされてないから柔らかさは劣りますが、肉を噛み締める喜びはそっちのほうが大きいと思います。
渡辺:そうなるとやっぱりステーキそのまま売るよりも「ステーキ串」や「牛串」のほうが可能性はあるのかもしれないね。
掃夫:はい。肉だけだとメニューが弱い気もするので、「ネギハラミ串」とか「牛トマト串」とかあったら面白そうです。
渡辺:そこまで行くと「いきなり!バーベキュー」になりそうだね(笑)。とはいえ、新業態のこの試みには、素直に拍手を送りたいです。背景には店舗の「いきなり!ステーキ」が苦しいことがあると思いますが、それを「どうにかしよう」という気概を感じました。コック服を着た社員さんたちが呼び込みをしていましたし、キッチンカーで働く社員の目がやる気に満ち溢れていましたから。
掃夫:確かに。名札に「次長」とある、管理職と思しき方がレジを打っている姿には驚きました。あれは紛れもなく肉以外の価値を生んでいましたよね。コロナ禍では外食産業はどこも苦しいと思いますが、いきなり!のキッチンカーの姿勢は元気づけられるかも。
渡辺:キッチンカーが苦肉の策じゃなく、次につながる何かになるといいですね。スーパーもコンビニも中食の総菜は揚げ物が中心ですから、対抗策として「焼き」は武器になると思います。
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