郷ひろみ、兄と慕う「西城秀樹」を語る 「あなたがいたから僕がいた」
レコード大賞に落選
昭和50年の「日本レコード大賞」では、野口が「私鉄沿線」で、西城が「この愛のときめき」で「大賞候補ベストテン」に選出された。ところが郷は落選し、新御三家の中で一人苦渋を味わった。
「あの時ほど、自分の至らなさに恥じ入ったことはありません。“落とされて当然だ。いまの歌唱力じゃあ受賞できるはずがない”と。でも、同時に、“絶対にもっと上手くなってやる”と自分に誓ったのも事実。すると、翌年のレコ大で「大衆賞」を受賞することができたんです。とはいえ、1年でそこまで上達するはずもなく、とても『これで二人に勝った』とは思えませんでした。
奇しくも賞を頂いた曲は『あなたがいたから僕がいた』で、“五郎と秀樹がいるから僕がいる”と思うと、本当の勝ち負けは彼らと競うことではなく、自分自身との戦いにあると気づかされました」