14日自宅待機とPCR検査16万円…一家で「ハワイ旅行」を目論む40代主婦の悩み
ワクチン接種が世界的に広まる中で、海外旅行の再開が待ち遠しい人も多いだろう。だが、旅好きの中には“もう我慢の限界”とチケット購入に走る人もいるという。彼らが目指す地は、常夏の島「ハワイ」。だが、コロナ禍での海外旅行は決して簡単なものではない。立ちはだかる幾重もの“壁”とは……。
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実は緊急事態宣言中であっても、海外旅行は禁止されているわけではない。外務省によれば、
「国として絶対に行かせないという措置はとっていません。実際、飛行機は飛んでいます。ただし、行けたとしても、ほとんどの国で入国制限措置や入国後の行動制限措置が取られている状況なので、事実上、旅行が楽しめないのです。また、帰国の際も、現地で取った『陰性証明書』に加え、空港でPCR検査を受けてもらい、陰性だったとしても14日間の自宅待機をお願いしています」(領事局領事サービスセンター)
確かに外務省がホームページで公表している各国の渡航情報は、旅好きを暗い気持ちにさせるものだ。2月23日現在、入国制限措置を取っている国・地域は92、入国に際して行動制限措置を取っている国・地域は156。観光目的の旅行自体を禁止している国も多く、入国できたところで一定期間、隔離させられてしまう国がほとんどなのだ。
だが、日本人が好きな旅先の中で唯一、条件を満たせば隔離されることなく入国できる地域があるという。
「ハワイ州です。昨年11月から日本出発前の72時間以内に、州が指定した日本の病院で新型コロナウイルス感染症の検査を受け、入国時に陰性証明を提示すれば、到着後の14日間隔離を免除されるようになりました」(旅行ジャーナリスト)
リゾート会員権のポイントが消滅してしまう
ハワイ州観光局のホームページをのぞいてみると、
〈コロナ禍のニューノーマルにおいて、住民と共に、観光客の皆さまも「ALOHA」の思いやりをもった行動で、ハワイ旅行をお楽しみいただきますようお願いいたします〉
手招きしてくれているかのような文言ではないか。同ホームページの「新型コロナウイルス情報サイト」には、現在の新規感染者や累計感染者だけでなく、「ハワイ州指定医療機関」も北海道から九州まで84カ所がリストアップされており、陰性証明を得るまでの過程をわかりやすく解説してくれている。
だが、いざその気になったとしても、実行に移すとなると勇気がいるものだ。本当に行けるのか――。実際、今夏にハワイ旅行を計画しつつも葛藤している一家がいる。40代の主婦・A子さんは、昨年ハワイ州の入国緩和のニュースを見てから、かれこれ3カ月間、悩み続けている。
「うちの祖母がハワイのコンドミニアムのリゾート会員権を持っており、家族で夏休みにハワイ旅行するのが、この数年間の恒例でした。当然、昨年は行けなかったので、鬱憤が溜まっちゃって……」
A子さんを悩ますのが、リゾート会員権のポイント制度の、ある“制約”だという。
「毎年使える規定のポイントを付与されるシステムとなっているのですが、昨年分は1年繰り越しできる救済措置が取られました。けれど、それは今年中に利用しないと消滅してしまうのです。金額にすれば、50万円くらい損失です」(同)
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