DeNA、暗黒時代に再突入も…「ハマの番長」三浦大輔監督が握る“浮沈の鍵”

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細かい野球を重視

 先発では、上茶谷大河や平良拳太郎、坂本裕哉、リリーフでは、伊勢大夢などの若手は上積みが期待できるが、全体的に手薄な感は否めない。投手出身の三浦新監督がどう投手陣を立て直せるかが、大きなポイントとなりそう。

 三浦新監督の手腕という意味で、もうひとつカギとなりそうなのが、実戦での采配面だ。ラミレス監督は自身のプレースタイルを踏襲した積極的な打撃を前面に出す戦い方を見せていたが、ここまでのキャンプや練習試合では、一転してバントや盗塁など細かい野球を重視しているようだ。

 昨年のチーム成績の反省を生かす狙いかもしれないが、この戦い方には少し疑問が残る。通算149盗塁を誇る梶谷が抜け、チームのレギュラー候補の中でスピードを武器にできるのは、神里和毅しか見当たらない。先日、4年目の宮本秀明を代走要員として活用するという報道があったが、他チームの“足のスペシャリスト”と比べると、宮本にそこまで圧倒的な脚力があるわけではない。手堅く1点をとれる野球は、確かに必要だが、それにこだわり過ぎれば、チームの良さを奪ってしまう恐れがある。

 戦力的に見ると、巨人、阪神に続く力を持つDeNA。三浦新監督次第で優勝争いに食い込める可能性は十分にあるが、どのようにチームの指揮を執っていくのか、注目していきたい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年2月23日掲載

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