「砂を食えるか?」 マラソン「瀬古利彦」を育てた恩師の衝撃的な言葉(小林信也)

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 瀬古利彦は、1980年モスクワ五輪・幻の代表のひとりだ。「出場したらきっと金メダルを獲っていたはず」と信じるファンは大勢いる。

 瀬古が三重県桑名市で生まれたのは56(昭和31)年7月。松坂世代、イチロー世代などと言うが、昭和31年生まれを代表するのは、圧倒的に瀬古利彦だった。筆者は同い年だから、その存在感を実感している。

 私は大学時代、フリスビーに熱中し、毎日代々木公園で練習していた。そこにしばしば瀬古が走って現れた。涼しげな顔で颯爽と走る瀬古を見つけると、公園を散策する誰もが、
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