“西野があなたを意識する権”は1万円 専門家は「細部まで計算されたビジネス」

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 2月4日に東スポWebが配信した記事(註2)によると、東野のYouTube「東野幸治の幻ラジオ」に西野が出演し、次のようなやり取りがあったという。

《東野は先月24日配信の同ユーチューブで、映画「えんとつ町のプペル」に「教団の信者の皆さんが大挙して押し寄せてる」などとコメント》

《この日は西野から「2ちゃんねらー、5ちゃんねらーがよだれを垂らして欲しがるようなワードがたくさん出てきた」「あの後、どうなったか知ってますか? ツイッター界隈が」などとクレームを食らった》

 だが、東野は全く怯まずに「信者」や「教団」などと言い続けたと報じられている。

 西野はオンラインサロンの運営も成功しており、文春オンラインは2月5日、「オンラインサロンで月約7000万円の売上……キングコング西野が吉本興業に“強気”に出られる理由」との記事を配信している。

 自分のコアなファンから様々なビジネスを展開する手法に長けているということだろう。とはいえ、それが現実に通用することが信じられないという人も少なくないはずだ。

盲信の空間

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、「もともとクラウドファンディングは、『素晴らしい夢を持っている人を応援しよう』という“善意”が基本になっています」と指摘する。

「その夢が、例えば『日本一の醤油を作る』というように、誰にでも納得できるものなら、問題はありません。夢が一般人には理解しがたい場合、世間は戸惑ってしまいます。怪しげな健康食品や骨董品に大金をつぎ込んでいる人を目の当たりにすると、普通は困惑するでしょう。それと全く同じです」

 オンラインサロンに関しても、「そもそも教祖と信者という関係性を前提にしたITビジネス」だという。

「不特定多数の人が来場する講演会やシンポジウムとは違って、よほどのことがない限り、オンラインサロンは主催者のファンだけが詰めかけます。主催者の見解や主張を検証しながら咀嚼する人は稀で、ほぼ全員が盲信する傾向があるのです」(同・井上氏)

 そうした問題点を踏まえ、改めて“西野商法”を見直してみると、実は細部まで計算され尽くしたビジネスだという。

炎上対策

 前出の井上トシユキ氏が指摘する。

「話題となった19円の“原稿料”ですが、それなりの原稿料を支払っていたら、もっと問題視されたはずです。19円という金額は安すぎて誰もが驚きましたが、あくまでも書き込んでくれたファンへの“薄謝”ということなのでしょう。このため世間も、面と向かって西野氏を批判することができなかったのです」

《【態度悪く御礼】》も、《西野があなたを意識する権》も、一応は“シャレ”という雰囲気を匂わせているという。

「僕は笑えませんが、“シャレ”の範囲内に収まるよう考えているのだと思います。例えば『西野を1晩、自由にできる権利』をリターンにしたら、金額がどうであれ、批判が殺到した可能性があります。彼のリターンは、普通の人にとっては眉をひそめるものですが、炎上対策という観点では細心の注意が払われていると言えます」

 信者にとっては絶妙な価格設定ということのようだ。

註1:記事の引用に際しては全角数字を半角にするなど、デイリー新潮の表記法に合わせた

註2「東野幸治 西野亮廣に吉本の“過敏反応”告げる『今、怯えている』『怖くなってきて…』」

デイリー新潮取材班

2021年2月20日掲載

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