“西野があなたを意識する権”は1万円 専門家は「細部まで計算されたビジネス」
注目の“リターン”
改めて西野人気の凄まじさが伝わってくるわけだが、SNSなどで違和感が指摘されているのが「リターン」の内容だ。
クラウドファンディングには「購入型」や「寄付型」などがある。ご紹介した2つのプロジェクトはいずれも「購入型」だ。
サイトでは「リターン」が提示され、内容を気に入った人は「リターン」を購入することでプロジェクトを支援する──この説明では分かりにくいかもしれない。具体的に見てみよう。
例えば映画制作のため1000万円の資金をクラウドファンディングで集めるとする。プロデューサーは「リターン」として、「公開前にDVDを届ける権利」を5000円、「撮影現場で1日、見学できる権利」を5万円で販売したりするわけだ。
西野は2つのプロジェクトで、どんな「リターン」を販売したのだろうか。表にまとめてみたので、ご覧いただきたい。
教祖ビジネス?
2つ目の表は比較的、高額なものを集めた。中でも目を惹くのは「西野があなたを意識する権」ではないだろうか。
「困った時に相談に乗ってほしい」ということが起きなければ、西野が特別なことをするわけではないのだ。それでも「西野が心の中で意識する」ことに1万円を払う価値があるという人が123人もいたということになる。
ネット上では《まあAKBと握手する為にCD複数買いするのと根っこは同じでは》と突き放す見方もあったが、《そのうち西野の風呂の残り湯を売りだすぞ》という声もあった。
この指摘は、オウム真理教の教祖、麻原彰晃こと松本智津夫・元死刑囚(1955~2019)が入浴した残り湯が、信者に2万円で販売されていたことを指す。
つまり「意識する権」が1万円という価格で売れるのは、西野が一種の“教祖”であり、購入者が“信者”ではないかと揶揄したことになる。
教祖と信者という関係性について、本人に堂々と言ったのが東野幸治(53)だ。
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