甲子園3回出場の「松山聖陵」、野球部監督が部員にコンクリの上で「顔面ヘッスラ」体罰
体罰の数々
取材で浮かび上がった荷川取監督の体罰をご紹介しよう。
◆練習でエラーなどのミスをすると、「ヘッドスライディング」や「顔面ヘッドスライディング」を強要される。
◆「自分で自分の顔を叩け」、「壁に頭をぶつけろ」と強要された部員は少なくとも10人程度。荷川取監督が「弱い、もっと強くしろ」とやり直させることもあった。イライラしていると強要することが多く、怒りのあまり手が震えていたのが強い印象に残っている。
◆授業中に居眠りをしていたり、風紀上の違反が見つかったりすると、草抜きや掃除の罰を科されることもあった。長い場合、1か月程度の罰になることもあった。
◆約60人の寮生に数十分間、正座を命じたことがあった。寮の外で、コンクリートの上で正座するよう要求したため、足に相当の痛みを感じた。
◆暴言が酷い。「お前がいるから試合に負ける」、「グランドから出て行け。帰ってくるな」、「試合に負けたら、お前のせいだからな」、「このクソ野郎、カス野郎、ボケ野郎」、「そこで待っとけ、ぶん殴ってやる」、「昔だったら、お前はボコボコにしていた」──など。
◆2人1組でトスバッティング中、ボールを投げる役割の選手に「顔面にボールを当てろ」と指示を出した。途中で監督が自らトスを代わり、選手の顔面や太ももにボールを強く投げつける。苛立つと、バッティング練習とは言えない指導をする。
顔面ヘッスラ
他にも「腿を蹴られそうになった」、「『顔面を蹴ったるからしゃがめ』と強要された」という証言もある。
中でも部員にとって最も苦痛だったのが「ヘッドスライディング」と「顔面ヘッドスライディング」だったという。
「監督が『ヘッド』と部員に命じたら、いつでも、どこでも、部員はヘッドスライディングをしなければなりません。更に酷いのが『顔面』です」(関係者)
ヘッドスライディングは胸や腹で滑り、顔は正面を向くのが基本だ。一方、荷川取監督が命じる体罰としての「顔面ヘッドスライディング」は、顔が下を向かなければならないという。
「つまり肩から地面に着地するような格好になり、顔を顔面にこすりつけながらヘッドスライディングを行うわけです。グラウンドでも擦り傷ができますし、顔は砂まみれです。そして荷川取監督は、たとえコンクリートの上でも『顔面ヘッドスライディング』を命じることがあります」(関係者)
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