佐々木希が「にじいろカルテ」で好演 演技が上手くなって思い出す「モデル出身女優」

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目線の違い

 モデルは多くの観客や読者の視線を自分だけに集めなければならない。所作も他人の注目を集めることが最優先だ。

「ところがテレビドラマの場合は、存在感を発揮するだけでなく、消すことも必要です。舞台でキャリアを積んだ高畑充希さん(29)や、子役の頃からテレビドラマや映画に出演してきた杉咲花さん(23)は自分を消して役になりきることができます」(同)

 これを苦手にするのがモデル、アイドル、そして宝塚出身の女優だという。

「特にモデルやアイドルは、カメラ目線を上手に使って自分の魅力を表現します。ところが、テレビドラマは自然な視線の使い方が求められるのです。

 今、NHKの朝ドラ『おちょやん』に出演している、宝塚出身の明日海りおさん(35)も、テレビドラマで求められる目線には苦労している、とこぼしていたほどです」(同)

 アイドルがドラマに出演すると、どこかで視聴者も戸惑ってしまうという。

「例えば前田敦子さん(29)や大島優子さん(32)も、演技が下手というわけではないのです。

 ただ、彼女たちがドラマに出ると、視聴者はどうしても『あ、元AKBの人だ』と思ってしまい、役柄との違和感を覚えてしまうのです」(同)

将来は安泰!?

 川栄李奈(26)が女優として評価されているのは、彼女の演技力が認められているから、ではある。

「とはいえ、彼女がAKBでそれほど目立っていなかったということも追い風になったのは間違いありません。

 配役で賢い選択を行っているのは橋本環奈さん(22)です。アイドル出身にもかかわらず、女優としても活躍しています。

 彼女の場合は、演技力が問われるシリアスな役は避け、コメディエンヌに徹していることが成功の要因です」(同)

 井川も佐々木も結婚と出産を経て、芸能界復帰までは“ブランク”があった。これが“モデル演技”を脱却する契機になったようだ。

「夫婦生活や子育てが、人生における大きな経験であるのは言うまでもありません。人生の機微を学ぶ機会もたくさんあるでしょう。

 特に佐々木さんは、夫の不倫という大変な状況にも直面しました。こうした経験を文字通りの糧にしたのでしょう。

 役柄になりきり、自分の姿を消すことができるようになったのだと思います。好演と評価されるゆえんだと思います」(同)

 佐々木の夫である渡部建が芸能界に復帰できる可能性は、少なくとも現時点では非常に低い。そして佐々木は、バラエティ番組にはあまり向いていない。

 前途を危ぶむ声があったのは事実だが、どうやら佐々木は女優として開花しつつある。演技の仕事に徹すれば、将来は安泰のようだ。

デイリー新潮取材班

2021年2月18日掲載

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